第29話 異次元ボックスLV3
狩りを終えて五層の神殿に戻ると、もう既に攻略班の部隊も撤収していて神殿は静かだった。
ダンジョンの中ではラインは使えないのでブルートゥース機能でテキスト送受信を使って咲と麗奈に伝える。
『ちょっと異次元ボックスのレベルあがったから試したい事有るんだよね』
「どんなこと? 社長」
『ちょっと待ってて』
そう言って俺はスマホを異次元ボックスに入れると、合成画面に『アップデート』と出た。
これは合成した物を高機能に出来る能力か?
そう思いスマホにアップデートをしてみた。
すると……
成功したみたいだけど違いが判らない。
俺は自分の姿をインカメで写しながら眺めてると『パーティ勧誘』と言うボタンを見つけた。
これってもしかしたら? 麗奈もパーティに入れれるようになったとかか?
そう思い咲ちゃんに伝える。
『咲。このスマホで麗奈の姿写して俺に見える様にして』
「OK」
と言って、麗奈をフレーム内に捉えて見せてくれる。
俺のスマホの普通のカメラ機能以外が他人に見えないのは今まで通りみたいだけど麗奈が声を上げた「ねぇ? 『パーティに勧誘されました』って脳内で聞こえたよ?」
! 間違いないステータスカード所持者じゃ無くても、パーティに誘える機能だ。
『咲のスマホも貸してよ。アップデートするから』
「失敗して消えたりしない?」
『考えて無かったけど、大丈夫だと思うよ?』
「無くなったら泣くよ」
まぁ無事に、咲のスマホも成功した。
これは一気に使い道が上がったな。
パーティ機能が使えれば、きっとダンジョンの移動装置も使えるし、何より安全にステータス上昇をして上げれる。
常人の三倍程度のステータスになるまで、お袋と穂南のステータスを上げてからだったら、ダンジョン探索を許可しても大丈夫だろう。
異次元ボックスマジすげぇな。
この先もしかしたらレベルの上昇で、俺の持ってるスキルをアイテムに付与したりできるようになるかもしれないし、ダンジョン探索もはかどるな。
麗奈と咲に協力してもらいながら何かいい方法を考えないとね。
咲のスマホでも麗奈をパーティに誘えることを確認すると、加入して貰って移動装置に向かった。
咲が発動させると、無事に俺と麗奈も一層へと姿を現した。
「ええ、これ超便利だね」
麗奈がはしゃいでた。
『今から帰って、俺は麗奈に取って貰った写真の魔物データのステータスを全部、書き出していくから、麗奈はそれを匿名でダンジョンサイトにアップしてよ。少しはみんなの役に立つと思うし』
「解ったよ社長。今日のドロップは売りに行く?」
『あ、それは俺が合成してから売った方がお金になるから今日の夜合成しておくよ』
「了解ー」
俺は咲のリュックに入れて貰ってダンジョンの外に出ると、家までタクシーで送って貰った。
「明日ランクル納車だから、明日からは私の運転で送ってあげるからね」
俺は「解った。お疲れさん」って言ったけど、「ニャァンニャンニャン」としか聞こえないぜ。
◇◆◇◆
家に帰ると穂南がカンカンを開けてくれながら「今日も一緒にお風呂入る?」って聞いて来たから、元気よく「ニャン」って頷いたぜ。
もしお袋が、実は俺だってばらしたら穂南に殺されるかもな? その時は甘んじて受け入れよう。
それほどの価値が穂南のおっぱいにはある!
でも、麗奈はまだ服の上からしか体験してないが、お袋並みのボリュームに穂南以上の張りがあったんだよな。
お風呂一緒に入れるチャンスはあるのか?
事務所だと、もう咲ちゃんのだらしなく脱ぎ散らかした下着と遊ぶことも出来ないだろうしな。
今度の家は脱衣所がちゃんとある上に洗濯機もその場にあるから、そこは残念だ。
穂南とのお風呂を堪能した俺は、キャットハウスの中に籠って、異次元ボックスで合成を始めた。
今までポーションの合成を四回行って一回成功するくらいだったが、三回に一度は成功するようになった。
更に素材を三個指定できるようになっていて、これだとポーション1から2へは100%成功した。
2から3へは50%くらいだな。
もしかして4への合成も出来るのか?
チャレンジしてみた結果は、ポーション3を三個使うと、ポーション4へは25%くらいで成功する。
問題はポーション4で出来る事の効果だが、1で裂傷の治療、2で亀裂骨折の治療、3で複雑骨折の治療までできたから、4だとおそらく切断されていても引っ付けることは可能だろう。
俺のスキルで身に着けた再生は自分だけに有効で、死んでいなければ、なんとか手足も生えてくる感じがするから存在がかなりチートだよね。
でもそれを考えると……人間がモンスターコアを飲み込んだ事例が起きた時、魔物に変化したって言うのは聞いたけど、その人の意識ってどうだったんだろう。
もしかして見た目だけモンスターで意識は人だったかもしれない。
そうなったら、今後ドラゴンとか現れたら、ドラゴンになりたい人間とか出てくるんじゃないだろうか? って言うかラノベの定番とかだと高位の魔物が人化したりとかありそうだし、そんなスキルも存在するのかもしれないよね。
そんな事を考えてたら眠くなって来たので、穂南のベッドにもぐりこんで一緒に寝た。
寝るときはブラジャーして無いから、とても幸せな感触を楽しんだぜ。
朝、起こしに来たお袋の視線が、ちょっとだけ睨みつけてた感じはするけど、まぁそれはしょうがない。
今日は咲と麗奈は午前中に車の納車に行ってから迎えに来ると言ってたので、穂南が学校に行った後にお袋とチャットで話してた。
「進、本当に穂南や私が戦える様になるの?」
『うん、俺が同じパーティーに居る状態で魔物を倒しまくるから、普通の人の三倍くらいの能力になるのは比較的簡単にできるはずだよ。でも、絶対人にどうやって強くなれたのか教えないでね? バレると俺がヤバいから……』
「解ったよ」
『大阪の梅田ダンジョンがそろそろスタンピードを起こすかもしれないから、それが落ち着いたら少しずつ始めような』
「進は、もう自衛隊員でもないのに行かなくちゃいけないのかい?」
『いけないわけじゃないけど、きっと俺じゃないと無理な問題が起こる気がするんだよ、お袋。こう見えても今の俺は世界一強い男なんだよ』
「子猫なのに?」
『そこは気にしないで』
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