第25話 アイテム売って見た
翌朝、彩たちが車で迎えに来た。
ラインで連絡が入ったので、お袋に「出かけて来る」って伝えて外に行った。
「ニャン」としか聞こえないけどな! でもお袋だと流石にそれで充分通じる感じだ。
彩の車まで行くと、麗奈が扉を開けて抱っこしてくれた。
相変わらず良い物をお持ちの様で、朝から幸せだぜ!
まずはスマホショップに向かう。
俺はどの程度の成功確率か解らないから『高い新品選ばない方がいいよ』とラインで伝えると「そうだね、でも中古は嫌だから型遅れの機種にするね」と言って取り敢えず二人共一台ずつ買って来た。
『そう言えば昨日、掲示板見てたらもうD.Aから昨日のダンジョン内のワープが話題になってたけど、あれは彩?』
「うん、そうだよ。上田二佐に報告したらすぐにJDAのサイトに載せるよう指示を出されたからね」
『なんで急ぐんだろ?』
「税金一杯使ってるから、成果報告みたいなのが欲しいんだと思うよ」
『そっかぁ』
「でも、昨日は部隊で動かなかったら、他のドロップ品に関しては休日に狩りをした場合の個人ドロップと同じ扱いで、全部自分の収入になったからそれはラッキーだったよ」
「そう言えば私も昨日TBと別れてからドロップ品売りに行ったら、十万円以上になったから助かったよ。いくら型遅れでも一台三万円はするしねスマホ」
『麗奈、俺がため込んでるドロップをこの後D.Aに売りに行きたいから、よろしくね』
「はーい社長」
『社長って何?』
「私にお給料くれるんだから社長でいいじゃん」
『……』
一瞬言葉に詰まったが、別に嫌な気分じゃ無かったからまぁいいやと思う事にした。
車の中で早速合成にチャレンジした。
まずは彩のスマホだ。
ステータスカードと買ったばかりのスマホを受け取り合成をした。
『彩、ゴメン失敗した』
「しょうが無いね。もう一台買ってくるよ」
彩が買いに行ってる間に、咲ちゃんのスマホでチャレンジすると、今度は一回で成功した。
「ありがとうTB。早速使い方調べるね」
彩がもう一台買って戻って来た。
「一番安いのが売り切れたから、今度のは五万円もしちゃったよ」
『咲のは一回で成功したよ』
「いいなぁ」
『ゴメン……消えた』
「え……」
『成功確率が解らないしな』
「でも成功したら価値としては何十億払っても惜しく無いほどの物になるから、成功するまでやるよ」
『解った』
結局五台目でやっと成功したが最後の五台目は、安い機種が無くて一台八万円もするスマホだったから結構涙目だった。
「私だったらそんなお金なかったから、助かったぁ」
って咲ちゃんが言ったら、彩が少しいじけてた。
「次はD.Aでいいの?」
『うん』
D.Aに到着すると、早速買取カウンターに出かける。
現時点ではまだそんなに五層で大量に狩りが出来る民間人は少ないので、買取カウンターはいつも空いてる。
『咲と彩も運び込むの手伝ってもらって良いかな? 異次元ボックスから直接とかだとヤバいから』
「そんなにあるの?」
『うん。結構ある。ダンジョン鋼だけで八十㎏くらいかな』
「凄いね。他は?」
『ポーションも色々合わせると百個以上あるよ。魔石はまだ使い方解らないし、売っても今は高く無いから持っておくことにした』
「そうだね」
「ええええええ? TB。ポーションこれ殆どレベル2とか3じゃない」
『うん。合成したらランク上がるから、結構失敗するけどね』
「赤ポーションだとレベル2で五十万レベル3で百万円だったはずだよ?」
『高いんだな。青と緑はどうなの?』
「青はレベル2までしか出回って無いけどレベル1で三万円2で十万円だったかな? 3以上は臨床実験が終わって無いから価値がはっきりしてないけど、治せる病気のレベルで価値が全く変わって来るよね」
『そっかぁ、赤だけでも十分高額になりそうだから、緑と青は売らずにとって置こう。緑とか実質使えるのがここの三人だけだしね』
「そう言えばそうだね」
ダンジョン鋼は、スタンピード以降少し値上がりして、g百円まで上がってるそうで八十㎏で八百万円。
ポーションは赤ポーションのレベル2と3だけを売る事にした。
レベル2が二十一個で千五十万円。
レベル3が六個で六百万円。
総額で二千四百五十万円だった。
そこから、税金が15%とD.Aの手数料が5%引かれて、千九百六十万円もの手取りになる。
『麗奈、バイト代は基本日当一万円と販売額の10%でいいかな?』
「え? まじ? それって今日の日当で197万円って事?」
『うんそうなるな。少ない?』
そう言うと首をもげそうなくらいブルンブルン横に振って、「社長一生付いて行きます身も心も」そう言って俺を胸に抱きしめてくれた。
首を振るのに合わせて横に揺れる胸って迫力あるな! と思いながら、抱っこされてたぜ。
「いいなぁ麗奈、今日の晩御飯は麗奈のおごりだね」
『ねぇ、咲ちゃん。結構いい収入になりそうだし、この先も基本一緒に行動するでしょ?』
「うん出来るならそうしたいね」
『俺が居ても不自然じゃない家を借りない?』
『麗奈と咲が拠点に使ってる感じでさ。俺の稼いでるのは麗奈が稼いでるっていう風に見えないといけないから、事務所兼用みたいな家を代々木の側に借りたいんだよね』
「私は社長の言うがままで構わないよ」
「私もOK」
『事務所経費は全部俺が出すから、表面上は麗奈と咲の
「そこで私達住んでも良いの?」
『勿論いいよ。俺は基本家に帰るけどね』
「そうなんだ」
『でもさ、免許は持ってるよね? 車も買って欲しいかな。道路危険だから、出来れば毎日お出迎えはして欲しいかも』
「OK。じゃぁ早速家探しに行こう!」
「ねぇTB。私は一度自衛隊に戻っていいかな? この鑑定スマホ機能が凄すぎるし、一度上田二佐に報告してくるね」
『彩。報告は良いけど俺は他の人の分は絶対作らないから、そこは了承して貰ってね』
「解ったよ。それじゃぁまた夜にね」
そう言って彩は車で自衛隊に向かった。
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