99話 親友ユキの再登場

 玲衣さん、夏帆、琴音、雨音姉さん。この四人の美少女・美女と同居して、しかも、性的に迫られる生活は、ドキドキとひやひやの連続だった。

 

 睡眠不足の頭のなかに四人の顔が思い浮かぶ。


 今、俺、玲衣さん、夏帆、琴音の三人は、一緒に朝の街を歩いていた。

 アスファルトの下り坂だ。


 昨夜のことがあるから、全員、ちょっと顔を赤くして恥ずかしがりながら歩いている。


「やっぱり、晴人先輩って胸が大きい人が好みなんですね?」


「いや、そういうわけじゃなく……」


 隣を歩く琴音が、ジト目で俺を睨む。


 琴音も途中までは一緒の道だし、四人で一応登校中なわけだけれど……。

 突然ひしっと琴音が俺の腕に抱きつく。まるで胸を押し当てるかのように


「こ、琴音!?」


「まえも言いましたけど、私はまだ成長途中ですからね!」


「せ、成長途中って……」


 俺は思わず、琴音の胸を見る。制服の上からだけれど、小さな膨らみがはっきりと見て取れた。

 それが今、俺に押し当てられている。


 くすっと琴音は笑った。


「私は晴人先輩の婚約者ですから。成長して結婚したら、いつでも私の胸を触り放題です。いえ、結婚前も昨日みたいにマッサージしてくれていいんですが!」


 そう。

 いまや琴音は俺の婚約者になっている。遠見家の力によるものとはいえ、琴音と俺が将来結婚する約束をさせられているのは事実だ。

 この状態では、玲衣さんにしても夏帆にしても、付き合うことができない。


 琴音はとても嬉しそうだった。


「子どもは何人がいいですかね―。女の子だったら、私のような可愛い子どもになるでしょうし、楽しみですね♪」


「琴音ちゃん……調子に乗りすぎじゃないかな」


 横から夏帆が口をはさむ。むうっと頬を膨らませて、俺と琴音を見比べている。

 そして、夏帆もえいっと俺の腕に抱きついた。


 夏帆はにやりと笑う、そして、胸の双丘のあいだに俺の腕を挟むようにする。


「あたしの方がずっと大きいものね。どう?」


「ど、どうって……」


 たしかに夏帆のほうがずっと体つきは女性的で、大人びている。

 俺が赤面したのを見て、してやったりと夏帆の顔が嬉しそうにほころんだ。


 今度は琴音が不満そうに言う。


「夏帆さん、ずるいですよ! 色仕掛けなんて卑怯です!」


「最初にやったのは琴音ちゃんでしょう?」


 二人の美少女が俺の肩越しに言い合う。そのあいだも、ふたりとも俺にその柔らかい胸の膨らみを押し当てている。

 思わずくらりとしそうになり、ふと気づく。


「夏帆と琴音、いつのまにか仲良くなった?」


「どうしてそう思うんですか?」


 琴音が不思議そうに問う。


「前は『佐々木先輩』と『琴音』って呼び合っていたのに、今は『夏帆さん』と『琴音』だったから」


 夏帆と琴音は顔を見合わせ、そしてくすくす笑った。


「うん。あのあと琴音ちゃんとはいろいろあったものね」


「一緒に晴人先輩の初めてを奪おうとした仲ですものね」


 昨日の夜、二人から同時に寝室で迫られたときはどうしようかと思ったけれど、夏帆と琴音が親しくなったなら、それはそれで良かったかも知れない。


 あとは……。

 俺は二人の顔を見比べた。


「ええと、それで、腕を放してくれない?」


「ダメだよ」「ダメでーす」


 夏帆と琴音はほとんど同時にそう言って、そしてくすくすと笑った。

 本当に仲良しになってしまったみたいで、これはこれで困るかもしれない……。


 そんななか、玲衣さんだけは一人静かで、なにか物思いにふけっているようだった。

 昨日の玲衣さんは俺に子供を産ませてほしいと言って、迫ってきた。俺もほとんど理性がとびかけていたし、もし琴音と雨音姉さんがいなかったら、実際、玲衣さんを押し倒していただろう。


 玲衣さんは俺の子供を産んでもいいと思うぐらい、俺のことを好きでいてくれる。

 俺もその気持ちに応えたい。同時に、夏帆と琴音も俺のこと好きでいてくれて――。


 さらにもう一人、俺を好きでいてくれる女の子がいる。


 ちょうど交差点に差し掛かった。信号が赤になる。


 美少女に両腕を組まれた状態のままで、俺は内心冷や汗をかく。

 このあたりから人通りが多くなってくるし、そろそろ放してもらわないと恥ずかしい。


 そんなとき、俺たちは一番会うと困る人間に会ってしまった。


「なにやってるの、アキくん?」


 小さなささやくような声に、俺は振り返る。

 そこにいたのは、とても小柄なセーラー服の少女だった。


「……ユキ」


 俺はつぶやく。


 ユキは、夏帆の親友で、俺と夏帆の仲を取り持とうとしてくれた大事な友人だ。

 そして、ユキは……俺のことが好きなのだった。





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