(新刊のお知らせあり)第98話 裸の女の子が三人

 雨音姉さんに裸の右胸を触られ、玲衣さんは焦ったような表情を浮かべた。

 逃げ出そうとするけれど、正面からは雨音姉さん、背後からは琴音に抑え込まれてしまい、身動きがとれない。


「ひゃ、ひゃうっ」


 雨音姉さんが玲衣さんの大きな胸を少し揉む。そして、ふふっと笑う。


「女子高生にしては大きいけれど、私と比べたらまだまだね」


 裸の雨音姉さんの胸を思わず俺はちらりと見てしまう。たしかに雨音姉さんほどの巨乳は見たことがない。


「だ、だって、雨音さんは年上ですから……あうっ。晴人くんだって、若い子の方がいいと思います!」


「ふうん。私も21歳だし十分に若いんだけどね? それに、晴人君は年上の方が好きなんじゃない?」


「そ、そんなことないです! 晴人くんはわたしのこと……ああっ、だ、ダメっ、琴音!」


 今度は琴音が背後から玲衣さんの左胸を揉みしだく。

 琴音はくすくすと笑っていた。


「姉さんったら、男嫌いだったのに、こんなにエッチになっちゃって……晴人先輩にたぶらかされちゃったんですね?」


「わたしを触っていいのは晴人くんだけ! だから琴音は放して……!」


 でも、雨音姉さんも琴音も、玲衣さんを解放しようとはしなかった。


「た、助けて! 晴人くん!」


 涙目の玲衣さんを俺も助けようと思ったが、あいにく雨音姉さんも琴音も裸で、うかつに割って入れない。


 雨音姉さんと琴音がこちらを振り返り、顔を赤くする。


「いま、私のことをエッチな目で見てましたよね? 先輩?」


「そ、そんなことないよ……」


「ふうん。ね、先輩? 大好きな玲衣姉さんを助けたいなら、私をキスして私をいじめてください」


 琴音は玲衣さんをダシにして、交渉しようと思ったらしい。ところが、雨音姉さんがそれを許すわけもなく、「そんなのダメ」とジト目で睨む。


 仲間割れになりそうな雰囲気になった。

 とはいえ、相変わらず玲衣さんは胸や、さらにお尻を二人に触られていて、頬を紅潮させ「あっ、ああああっ」とあえいでいた。


 この混乱を破ったのは夏帆だった。あまりに騒がしくしすぎたのか、夏帆が起きてきて来てしまったらしい。

 当たり前だけど、夏帆はちゃんと部屋着を着ている。けれど、他の女子はそうでもなくて裸で……。


「なにしてるの!? 晴人ってば、まさか……」


「ち、違うよ!」


 この後、夏帆にめちゃくちゃ怒られて、そして「みんなだけずるい。あたしも……」とキスをせがまれてしまった。


 共同生活は前途多難だ……。





<あとがき>


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