第94話

「こ、琴音……これはさすがに……」


 琴音は無理やり俺の手を取り、俺に胸を触らせた。

 胸を大きくするために、俺に胸を揉んでほしいらしいけど……。


 でも、さすがにそんなことはできない。

 そういうと、琴音は頬を膨らませた。


「どうしてですか? 雨音さんの胸をあんなに揉みしだいていたのに」


「そ、それとこれとは話が別だよ。だって、琴音は玲衣さんの妹だし……」


「今は、私を姉さんの妹としてじゃなくて、一人の女の子として見てください」


 琴音が切なげにそう訴える。そして、ますますぎゅっと俺の手を握りしめて、胸を押し当てる。

 俺はその柔らかい感触に動揺する。


「先輩だって……触りたいでしょう?」


「そ、それは……」


「先輩の意気地なし。もしこのまま、何もしてくれなかったら、姉さんたちに雨音さんに乱暴して、私の胸を無理やり触ったって言います」


「お、俺を脅すつもり……?」


「私は悪い子なんですよ、先輩。だから、私にお仕置きしていいんです。私を……無茶苦茶にしてください♪」


 ふふっと琴音が笑い、妖艶に媚びるような表情を浮かべた。

 ここまで言われて、何もしないのも舐められたままだし、玲衣さんたちにバラされたら困るのも確かだ。


 俺はそっと右手で琴音の胸を撫でた。


「あっ……」


 琴音がびくっと震え、真っ赤になる。あんなに挑発するようなことを言っておいて、いざ触られると恥ずかしくなったらしい。


「先輩……やっぱり恥ずかし……あうっ」


 俺は琴音の小さな胸を右手でむにゅっと揉む。すると、琴音の胸の真ん中に小さな突起を感じる。


「琴音、もしかしてノーブラ?」


「は、はい……」


「俺を誘惑しに来たんだ?」


「最初からそう言ってます! あっ……乳首、つまんじゃダメっ!」

 

 俺はキャミソールの上から、琴音のうっすらと透けた桜色の突起を指でつまむ。

 琴音は恥辱に耐えるようにしていたけれど、やがて「あうっ」と甲高いあえぎ声を上げてしまう。


「乳首立ってるから、興奮してる?」


「こ、興奮してますよ。だって、私、先輩のこと大好きで、その先輩に可愛がってもらってるんですから。……あっ」


 俺は左手で琴音のもう片方の胸を触る。そして、両手で琴音の胸の感触を楽しんだ。

 琴音は「んんっ」と震え、羞恥と喜びの混ぜこぜになったような表情を浮かべている。


「私のこと、は、はしたないって思いますか?」


「まあ、痴女っぽいかなとは思うけど」


「私のことを弄んでおきながら、ひどいです。先輩」


 言葉とは裏腹に、琴音の声には甘えるような響きがあった。

 俺の愛撫を、しだいに自然な形で琴音は受け入れ始める。


「だって、こうでもしないと、私は姉さんたちには勝てませんから。私は……自分が一番不利だって知ってます。私は先輩の敵のでしたから。でも……あっ、ああああああっ」


 俺が琴音の胸を激しく揉みしだき、琴音は続きの言葉を言う余裕をなくしたようだった。

 

「は、はげしっ……先輩っ。ダメえええっ」


「胸を大きくしたいんじゃなかったの?」


「そ、そうですけど、でもっ、あっ」


 俺の手が、琴音のキャミソールのなかに潜り込む。

 琴音は荒い息遣いで、俺に直接胸を揉まれていた。


「先輩、もっと私をいじめてくださいっ。何をしてもいいですから」


「本当に?」


「はい。赤ちゃんを産ませてくれてもいいんです」


 琴音はとろんとした目で、俺に身を委ねながら言う。

 琴音の胸は俺の手に合わせて、形を変える。


「姉さんたちに負けたくないですから。私を晴人先輩のものにするから、先輩を私のものにさせてください……あっ」


 俺は胸を触るのを一瞬止めて、琴音のキャミソールをまくりあげる。琴音は目を伏せ、とっさに自分の手で胸を隠そうとする。

 

 けれど、俺がその手を止めてしまった。


「先輩っ……」


 琴音の裸が俺の目の前にさらされていた。






<あとがき>

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