第92話 晴人先輩に抱かれようと誘惑していたんでしょう?


「晴人先輩を誘惑して、その気にさせたんですよね? それが悪いとは言いません。ですから……私も混ぜてください♪」


 琴音は美しいけれど幼い顔に、妖艶な表情を浮かべて言った。


 ほとんど裸の雨音姉さんが、布団の上で四つん這いになり、その大人な身体を俺の手で背後から弄ばれている。

 そんなとんでもない状況を琴音に見られてしまった。


 しかも、琴音はそれを咎めるどころか、混ぜてください、なんて言っている。琴音自身も薄手のキャミソール姿で結構際どい。


 雨音姉さんは四つん這いのまま、首を横に振った。その拍子に裸の大きな胸がぶるんぶるんと揺れる。


「わ、私は晴人君を誘惑なんてしていない!」


 雨音姉さんは必死な様子で言うけれど、琴音はジト目で俺たちを見下ろしていた。


「嘘つき。こんなだらしないおっぱいを見せつけて、晴人先輩に触らせていたくせに」


「そ、そんなつもりはなくて……」


「抜け駆けのおしおきです!」


 琴音は身をかがめて、ガムテープのようなものを取り出すと、すばやく雨音姉さんの両足を縛ってしまう。

 さっきまで俺に弄ばれていたからか、雨音姉さんはとっさに対応できずされるがままだった。


 これで雨音姉さんは立ち上がれなくなった。

 そして、琴音は雨音姉さんの両胸に背後から手を回すと、揉みしだきはじめた。


「ああっ、遠見さん……ダメっ、触らないでっ」

 

「こんな大きなおっぱい、あっても脂肪の無駄じゃないですか」


「それ、嫉妬で言ってるでしょ……あっ、やああああっ」


 雨音姉さんが反論した直後、不機嫌になった琴音がますます激しく雨音姉さんの胸をまさぐっていた。

 琴音の小さな手にあわせて、雨音姉さんの胸の形が変わる。


「だ、ダメ……晴人君も見てるのに……!」


「その晴人先輩に抱かれようと誘惑していたんでしょう?」


「ち、違っ……! あっ、晴人君……見ないで……」


 雨音姉さんは顔を赤くして恥辱に耐えていた。


 21歳のスタイル抜群の美人女性が、15歳の美少女中学生に弄ばれているという図は、なかなか扇情的だった。

 とはいえ、止めないわけにはいかない。


「こ、琴音……そろそろ……雨音姉さんが可哀想だからやめてあげてくれない?」


「ダメでーす。これはおしおきなんですから。どうしてもって言うなら、先輩が力ずくで私を止めてください」


 からかうように琴音が笑う。

 相変わらず、雨音姉さんは琴音にされるがままだった。


「あっ、あああああっ。は、晴人君、助けてっ!」


 俺は仕方なく、琴音の背後に回った。そして、琴音の身体をつかんで、引き剥がそうとする。

 ところが琴音は抵抗して、もみ合っているときにとんでもないことが起きた。

 

「ひゃうっ」


 琴音が可愛らしい悲鳴を上げて、そして、俺を振り向いた。

 その顔は赤くて、恥ずかしそうだった。


「先輩のエッチ……」


 俺の手が、琴音の小ぶりな胸を鷲掴みにしてしまっていたのだ。





<あとがき>

書籍版もいよいよあさって発売です! そろそろ店舗にも並んでいるかも……!


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