第3話 伝わらない想い
side.Saku
あ……、怒鳴ってしまった。
京司、目を見開いたままぽかーんとしてるし。
なんでこんなに怒ってんのか、
この男は、分かってないんだろうなぁ。
ああ、さみしーな。
「さぁーく!どうしたん?
あっ 生理?笑 ごめんごめん落ち着こ?な?」
抱きしめて、背中トントンしてくる
こいつ、ふざけてるのかな。
俺さっき結構な勢いで怒鳴ったよな…?
いつもの俺ならここで折れてるかもしれない。
…だから、ダメなんだ。
いつまで経っても変わらないんだ。
…なんで、こんなに伝わらへんねやろ。
今、ふざけるとこじゃないのに。
「…俺に触んな。喋りたくない!あっち行って!こんなんなるなら、一緒にくらさなければよかった!」
そう、言い放って寝室にとじこもった。
もう、京司に何言ってもダメな気がして、それが悲しくて、溢れてくる涙を見せたくなかったから。
「はぁ…それ、本気で言うてるん?」
京司の低い声が背中を刺すようだった。
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