ボケ老人をかかえる家族の会

私は、小さいころから祖父母と同居でした。


祖父は、私が中学生の時に、正月に餅をのどに詰まらせて亡くなったのですが、


祖母は、私が、高校生、大学生のころには、今でいう認知症の症状が

軽度でしたがありました。

そのころは、認知症には理解のない時代であり、

祖母の言動にイライラしていたのを覚えています。


その祖母が他界してしばらくして、

「ボケ老人をかかえる家族の会」というのがあるらしいというのを

なんとなく知りました。

その当時は、「ボケ」というのを客観的にとらえ、みなで対応していこうという、

なんとすばらしいものがあるのか、と思ったものです。


しかし、介護の仕事を始め、

途中で「痴呆」という呼称が「認知症」に変り、

いろいろな方と関わって、

改めて久しぶりに、「ボケ老人をかかえる家族の会」という「名称」を聞いた時に、

「なんて失礼な言い方!!」と思いました。

(現在は、同団体は「認知症の人と家族の会」という名称です)


今の私の認識は、「認知症」・・・「病」ではなく、

「自分やまわりのことがわかりにくくなるということに困ることがある、人」。

私は、「認知症高齢者」とひとくくりにするのが嫌いです。


以前、とある研修で、

「お腹が痛くて病院に行って、『腹痛症』ですね。と言われたら、どうしますか」

と言われたのに、すごく衝撃を受けたのを覚えています。

「認知症」という病気、ではなくて、

いろいろな脳の病変から、「自分のまわりのことが分かりにくくなっている」だけ

なんですよね。


もっともっと、「認知症」について、

世の中の人に知って欲しいですね。


時代と共に、社会の理解が深まるとともに、視点も変わります。

日本の世の中が、「認知症」のある人に、もっと住みやすい世界になりますように。

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