05

 うちの子供。


 みかん箱ステージのところから、こちらに走ってきて。


「いちゃいちゃしてんねえ?」


「子供はステージ見とけよ」


「そういうわけにもいかないんです。おねがいがあります」


 うちの子供。


 かしこまった表情。


 そしてなぜか。


 急に、土下座。


「どうぞ、よろしくおねがいいたします」


「え。え?」


 彼女も。困惑している。


「あたしは。うまれたいです。おふたりのこどもとして。よろしくおねがいいたします」


 それだけを言い残して。


 消えた。

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