第4話


蒼甫と話をしていると会場が薄暗くなった

周りがザワザワし始める

そろそろ始まるらしい


「春兄さん始まりますよ♪」

「そうだなぁ」


その時ステージに人影が見えた

会場に一瞬の緊張がはしる

蒼甫や周りの人達がペンライトをつけたので俺もつけて歌が始まるのを待っていると

演奏が始まってDiOディーオが歌い始めた

生で聴く歌声は俺の作曲家魂に火を着けた

DiOディーオに俺の曲を歌って欲しい

そう思った


ライブはMC無しで歌だけを聞くタイプで演出なのか次々流れる曲に胸がワクワクした

たまにノリの強い曲時はダンサーが踊っていた

その時は客席も座りながらペンライトを降って曲にノッていた

演出で銀テープが飛んだり

DiOディーオが書いたと思われる手紙が画面に映し出されたりMCが無くても凄く楽しかった

アンコールの時は演奏者がペンライトを振ってアンコールのコールの声を会場全体で合わせて団結させていた

2時間半のライブは夢の世界かと思うほどあっという間に終わってしまった


ただ聞いていたようにライブ中DiOディーオの顔が見えたのは一度もなかった

たまたまカメラミスかなんかでそれもほんの数秒ライトもあたっていなく顔も判別できないほどの一瞬

画面にDiOディーオ顔が抜かれた

会場内は少しざわつきはしたが誰も顔を見ることはできなかった

しかもステージには紗幕でカメラなのだから当然だ

それもでもやはり顔は気になる

俺は紗幕があるけれどずっとステージ上のDiOディーオがいる場所を見ていた

そしたらなんと紗幕越しに一瞬…ほんの一瞬目線が絡んだ気がした

多分俺とDiOディーオしか気づいていない


「終わっちゃいましたね…」

「そうだなぁ」

「もっと生歌聞きたかった…」

「確かに…」

「一番前でも顔見えませんでしたね(;・ε・ )」

「ん?あぁ…」(目線があった事は黙っていよう)

「春兄さんこの後ご飯食べてから帰りません」

「うん…行こっうか」


そう言って会場から出ていくとグッズが販売されていた


「蒼甫…」

「はい?」

「俺CD買ってきていいか?」

「いいですよ~じゃあ僕も新曲予約ます!さっき聞いて欲しくなっちゃいました♪しかも今どき珍しくCD限定楽曲!買わなければそん!!」


二人とも新曲を予約して俺は今日ライブで聞いて気に入った曲の収録されているCDをいくつか買って蒼甫と話してマンションの近くにある安くて美味い居酒屋に行くことにした

帰りは行きよりも混んでる電車に乗って最寄り駅まで着くと目的の居酒屋に向かって歩き出す

ただ居酒屋は混んでいて家の近くのスーパーで酒とつまみと夕食を買って一旦別れ部屋に荷物を置いてから俺の部屋に集まることになった











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みくんとく @minto0516

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