第4話
漁で
しがない漁師の小舟はまたたく間に
(財宝のうわさはこいつらにも届いてたってことか)
のこのこ宝探しに来たほかの船を
したがって、彼らはおおむね
なお、先に着いていたダレンでなく、レジナルドが見つかったのはまったくの不幸にほかならない。
「財宝はどうした?
「見ればわかるだろ! 財宝なんか持ってないし、これから探そうとしてたんだよ!」
レジナルドの
海賊船の船長とおぼしきひげ食い反らす男に、
「お
(だから言ったんだ。金目の物はなにもないって)
「
「へい!」
船長の命令により、海賊船の
「それと、
「なっ――!?」
名のある宝石ですらない、たかが数個のガラス玉にひもを通しただけのお守りすら奪わんとする海賊の頭に、レジナルドは
「この
「わしだって
「誰がお前の言うことなんか!」
「生かして奪うか、殺して奪うかの違いだけじゃ。逆らったって得はせんぞ?」
(これには俺の願いがこもってるんだ。手放すわけには……)
こうなったらいっそ、フィタだけでも死守するべくしゃにむに
激情の
『絶対に、生きて帰ってきてね』
妻と交わした約束が、すんでのところで彼を思いとどまらせたのである。
(俺はなんて
メイの願いは愛する夫の
本当に守らねばならないもののなんたるかを思い知ったのち、レジナルドは急ぎ左手と口を使ってフィタの
すべては愛する妻のため。
さりとて、海賊に命を
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます