第2話
レジナルドが代々受け継いできた
宝探しによって漁での収入が
それにもかかわらず、レジナルドの説得を受けたメイは首を縦には振らなかった。
「そんな遠くにひとりで行くだなんて危険だわ」
そう答えたきり、彼女は
心配もやむなしだろう。なにせ向かうは常ならけして近寄らない遠洋だ。小舟よりはるかに立派なオランダ商船を沈めた場所とあっては、しがない漁師には荷が勝ちすぎている。
メイが宝探しに反対するのは、ひとえに大切な夫の身を案じるがゆえだった。
「大丈夫だよメイ。ごらん」
妻の不安を
「それは」メイは横目を使う。「ビーズ飾りのフィタ?」
「うん。ふたりで選んだ結婚祝いのお守りだよ」
自然に切れたあかつきには持ち主の願いがひとつ叶う。
そのような言い伝えを聞かされ、指輪の代わりにポルトガルの商人から買った、打ちひもに似た
「仕事の時でも身につけてるせいか、俺のフィタはもうじき切れそうだ。だったらより大きな願いを叶えに行かなくちゃ」
「そんなこと言って、ただのお守りじゃない」
「けどメイだって信じてるんだろ? 三つ
「それは、その、あなたがくれたものだから……」
「俺はメイを幸せにしたい。だからきっと、財宝を手に入れてみせる」
レジナルドはほおを
騎士さながらに
「こんな俺だけど、どうか信じてほしい」
「……絶対に、生きて帰ってきてね。約束よ?」
「ああ、約束だ」
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