二十二、花水木

さも

無作為に

吹き流して描いたかの

不規則に

複雑な

交錯をする数多の線


に、見えながら


誠実に

確実に

陽を求め

風に耐え

おのずから伸び進み

広がった

細くとも強かな

冬枯れの枝


を、描き出す

筆先に浸みた墨

の、

切迫し

水際立った

潔さ


無彩のに 命が宿る

春来たれば あおく芽吹く

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