入浴直前の気だるさについて

 お風呂は入るまでがどうにも億劫だ。これはシャワーのみで済ませる場合にも当てはまる。順序立てて身体を動かす必要があるがしかし、毎日行うから流れ作業にもなっている。そのせいか、洗濯やゴミ出しなどの家事と、同等の面倒臭さを感じる。どうにも「しなくてはいけない」と考えてしまうから。


 入浴は頭をフル回転させなくてもこなせる。余裕ができたなら休めば良いものを、脳というヤツは使おうとする。何に使うかというと、考えごとに。取り分け、考えなくてもいい内容に費やされる。過去の嫌な出来事。その日起こしたミス。その時にならなければわからない将来性、といったものだ。

 「面倒な流れ作業で、考えても仕方のないことを考え、無駄に精神を摩耗する」ときたら、入浴が憂鬱にもなるだろう。いくらサッパリするとはいえ、マイナス要素が大きすぎる。ありありとわかる良い点なんて、「身体が温まる」くらいではないか。長い目で見ると……と説かれても仕方がない。今、気が重いのだから。


 もう十一月。湯をすぐに溜められて、身を沈めれば温まるのは助かる。寒いと身体は強張り、コリにもつながるから、とてもありがたいと思う。入浴直前の気だるさがなければ、もっと簡単に「好きだ」と言えるはずなのだけれど。

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