『ペガーナの神々』
ファンタジーを作るうえで、その世界が創られたところから書きたい、という欲求が生まれることがあります。しかしどうしても説明的になったしまったり、壮大すぎて話がまとまらなくなってしまっていたりということになりがちです。
『ペガーナの神々』は、創世の物語としては一つの理想形ではないでしょうか。神々の物語がいくつも紡がれているのですが、どれも面白いです。そして神話として、とてもありそうなのです。詩的でありながら物語性もあり、神々に個性もあります。
途中にある、予言者たちの話が特に好きです。神々のいる世界にも、当然人間がいます。予言者と神々の関係から、世界のイメージも広がっていくのです。
短い物語が積み重なって、深い深い世界が形作られていきます。荒俣宏の訳もいいいです。神秘的な物語が、神秘的なままに読めるのです。
形式的に真似ても、失敗は目に見えています。おそらくこれはダンセイニにしかできない芸当です。ぜひ手にとって、その曲芸を味わってみてほしいです。
ロード・ダンセイニ『ペガーナの神々』(1979・荒俣宏訳)早川文庫FT
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