『魔術士オーフェン』
高校生の頃、周りのファンタジー好きがみんな読んでいたものと言えばこれですね。設定が重厚でキャラクターも魅力的というオーフェンですが、私としては初めて「ヒロインが好き」になった作品でもあります。
オーフェンはぶっきらぼうでとっつきにくい感じですが、やるときはやる、腕は一流という主人公の鏡のような男です。
設定としては、ミスト・ドラゴンにはかなり驚かされた記憶があります。背中から弾丸放つって、まあ。魔法も唱えるだけではないんですよね。これを読んでから創作を始めた人は、異世界の設定をどこまでこればいいか悩んだかもしれません。
そしてクリーオウです。おてんばなお嬢様、と一見よくある設定ですが、なんかね、惹かれるんですよ。ちゃんとオーフェンに気持ちが向かっているのが分かるからでしょうか。ファンタジーにおけるヒロインの設定は、難しいところがあると思います。主人公と並ぶ戦力となるか、主人公が助ける対象となるか。クリーオウはドラゴンの子供と共にいることで「普通の人」以上の存在になっていきますが、彼女自身は普通の女の子のままだったように思います。そんな彼女がいかに成長していくか……あれ、なんか彼女の方が主人公みたいですね。
彼女のせいかどうか、自分の作品でも強くて前向きな戦う女性を出しがちです。創作者は最初に好きになったヒロインの影響から逃れられないということでしょうね。
秋田禎信『魔術士オーフェン』(1994-)富士見ファンタジア文庫・TOブックス
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