『吸血鬼カーミラ』
ハヤカワとともにファンタジー好きがよくお世話になるのが創元推理文庫ではないでしょうか。その中で最初に読んだのが『吸血鬼カーミラ』です。
それまでの吸血鬼のイメージは、『怪物くん』の影響が強かったので、どことなく陽気な感じでした。あとは「セサミストリート」のカウント伯爵ですね。「怖さ」というものと結びついていなかったわけです。
しかし当然ながら、吸血鬼というのは怖い存在です。それを知らされたのが本作でした。カーミラは少女なわけですが、引き込んでいく魅力というのが本当に怖いんですよね。
普通の舞台に、一つだけ異質なもの。そこから始まる物語というのは読んでいてぞくぞくします。ファンタジーにあふれた世界のワクワクとはまた違うものですね。
レ・ファニュの作品は不気味さというものが常に付きまとっているのですが、本作に限ってはそれを越えた「艶めかしさ」があるように感じました。
ちなみに表題作以外にも6編短編が収録されていて、そちらは不気味さを強く感じるものが多いです。私は基本的にはホラーが苦手で、映像作品になると全くダメです。本作は楽しみながらも、いざ創るとなるとこの感じのものは全く書いていません。
レ・ファニュ『吸血鬼カーミラ』(1970)平井呈一訳、創元推理文庫
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