『西遊記』

 『ドラゴンボール』でも触れましたが、古典的ファンタジーの名作と言えば『西遊記』でしょう。とはいえ、これを読んだことがあるという人は意外と少ないのではないでしょうか。

 まあ、とにかく長い。私は岩波文庫版を読み始めたのですが、訳者が亡くなり途中から変更となりました。ガラッと雰囲気が変わるんですね。文庫とはいえ全十巻です。

 読んでみると子供の頃のイメージより妖怪まみれです。パーティ、ほぼ妖怪ですもんね。そして馬も実は龍だったんですね。どこに行っても何かが起こります。

 日本だと「東の方へ行く」のが未知への旅でしたが、これが中国だと「西の方へ行く」だったんでしょうね。未知なのをいいことに何でもありで色々と起こります。まず天界が出てきますしね。孫悟空がお釈迦様の手のひらの上だった話は有名ですが、そこに至るまでも結構いろいろとあります。やりたい放題の悟空も楽しいです。いや本当にこの物語には様々なものが詰め込まれています。「主人公の挫折と成長」「明確な旅の目的」「ゆかいな仲間」「様々な苦難」と、王道ファンタジーに欲しい要素がかなり盛り込まれてもいるんですよね。

 ただ、本当に長いので誰にでもお勧めできるわけではありません。時間があってファンタジーが好きで漢字が多くても大丈夫な方は、ぜひ挑戦してみてください。



『西遊記』(1977-98)小野忍(一~三巻)、中野美代子(四~十巻)訳、岩波文庫

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