『ガリヴァー旅行記』

 よくよく考えてみるとあれもファンタジーか、という作品あります。『ガリヴァー旅行記』もそのうちの一つですね。

 記憶にあるのは巨人の国と小人の国で、どうやらそこまでしか読んでいないようです。これも、その先も面白いという話なので今から読む楽しみがありますね。

 ガリヴァーで印象に残っているのは、小人の国や巨人の国で最初、言葉が通じないところです。まあ考えてみればそうなんですが、多くのファンタジーではここら辺はうやむやにしていますよね。ファンタジーに限らず、少年漫画などでも疑問に思いつつも「厳密にやると大変だもんなあ」とスルーされがちなところです。

 ガリヴァーは医師で、そこから出てくる言葉も印象に残っています。余命は短めに言った方がいい。助からなかったら言ったとおり、となるし、助かったらお医者さんのおかげとなる。子供心に賢いなあ、と思いました。

 この物語が痛烈な風刺に基づいていると知ったのは大人になってからです。でも、ガリヴァーが賢いことは重要であり、そのことに気づけていたのでまあいい線いっていたでしょうか?

 『朝びらき丸 東の海へ』と同様、島を船で渡る物語は、様々な異世界を描きやすいというのもわかりますね。

 あと、「『ドラえもん』ではほんやくコンニャクあるし、意外と言語に対してちゃんとしてるよなあ」から、「あ、そういえばガリバートンネルってあった」と思い至りました。私たちはいろいろなことを『ドラえもん』から学んでいる気がします。



ジョナサン・スウィフト『ガリヴァー旅行記』(1980)平井正穂訳、岩波書店

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