「ドラゴンクエスト Ⅲ そして伝説へ…」

 私の家にはテレビームがありませんでした。ですから子供時代、自分でやったことのあるゲームというのはほとんどありません。ただ、友人の家で見ていたものはあります。そのうちの一つがドラクエⅢです。

 大ヒット作で、学校でみんな話題にしていました。グッズなんかもいっぱい出ていた気がします。私のようにⅠやⅡよりも先にⅢを知ったという人も結構いるのではないでしょうか。

 RPGというもの自体が新鮮でしたし、仲間の構成を選べるというのも魅力的でした。数々の敵キャラ、会話からヒントを得ての謎解き、レベルであらわされる成長。多くの人々のファンタジー観の礎として、ドラクエⅢの世界観は根付いている気がします。

 魔法が具体的にイメージできるようになったのも、ドラクエを見てからです。レベルが上がると強力な魔法が使えるようになったり、職業ごとに覚える魔法が違ったり。後々疑問を抱くのですが、子供の時は「なぜ僧侶が魔法を使えるのか」などとは考えませんでした。自然とD&Dの世界に誘われていたわけですね。

 世界観についても、不思議なものがありますよね。上下二つの世界が出てくるわけですが、海の作りとかが違うわけです。ファンタジー世界の住人が異世界に行くという。そして伝説になっていくわけですね。熱い。

 「勇者」のイメージが確立されたのもこの作品なのかな、という気がします。勇者のみメンバー固定なので、物語も勇者中心に進みますし。勇者の親子関係が軸というのも、グッときますよね。

 そしてイラストが鳥山明ということで、『ドラゴンボール』と合わせて私のファンタジー原書体験は、ほぼ鳥山明だったのでは疑惑? が生じています。頭の中の鳥山率が高いかもしれません。



「ドラゴンクエスト Ⅲ そして伝説へ…」(1988)エニックス

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