『ドラゴンボール』
前回『ナルニア国物語』を取り上げましたが、何となくそれより前からファンタジー作品に触れているような気がしていました。不思議な世界に対する免疫が、幼いころからあった気がするのです。よくよく考えてみると、『ドラゴンボール』でした。
『ドラゴンボール』の世界では、まず主人公が巨大な猿に変身します。また普通に獣人や恐竜がいます。幽霊やモンスター、神様に宇宙人。本当に様々な要素が詰め込まれた世界観なんですよね。
で、元ネタになった『西遊記』もかなり濃厚なファンタジーなんですよね。そして『Dr.スランプ』もそうとうハチャメチャな世界観で、そりゃドラゴンボール的世界になるのも納得、ですね。
地味なんですが、好きなシーンがあります。水の確保のために天下一武闘会に参加していたナム。彼が負けたのち亀仙人に、会場付近は水が豊富にあると知らされます。これだけで、ドラゴンボールの世界に奥行きが出た気がしました。水のある地域とない地域があって、よく考えると私たちの世界もそうなのだ、と気づかされる。作者がどこまで考えていたかはわかりませんが。
あと、国王やカリン様など獣人タイプの重要な登場人物は多いのですが、全体的な比率としてはそれほどではない感じがするんですよね。人間タイプと獣人タイプには違う歴史があるのかもしれません。まあ、宇宙人が神様をやってる世界ですからね、表には出てきていない裏設定も結構ありそうです。
ファンタジーのだいご味の一つが、設定の豊富さだと思っています。自分だけのオリジナル世界にどこまで深みを持たせられるか。やりすぎると一貫性のない世界や理解不能な世界になってしまうのですが。
途中からどんどん強い敵と戦うことになって、ドラゴンボールの世界観も迷走気味だったようには感じます。それでもやっぱり、「なんでもあり」をまとめる力はさすがだなあ、と思います。
ファンタジーとしてのドラゴンボール、また一巻から読み返すと新たな発見もありそうです。
鳥山明『ドラゴンボール』(1984-95)集英社
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