私のファンタジーの引き出し
清水らくは
『朝びらき丸 東の海へ』
私が初めて読んだファンタジー小説は何か、振り返ってみるとそれは『ナルニア国物語』でした。王道中の王道ですね。ただ、もっと詳しく言うと第三部の『朝びらき丸 東の海へ』でした。生協のカタログに載っていたので、親が買ってくれたのだと記憶しています。
実は強烈な印象が残っているということはなくて、「ああ、こういう世界もあるんだなあ」と思いました。ネタバレしているので、『ライオンと魔女』を読んでも「はいはい、異世界行けるんでしょ」という。やはりシリーズは一作目から読むべきですね。
たとえファンタジーでないとしても「船の旅」そのものがなかなか経験できないもので、ワクワクしますよね。また、島という独立した世界をいくつも出せるので、オリジナリティを出しやすい設定とも言えます。『銀河鉄道999』なんかも島を星にしたその系統ですね。
振り返ってみても、この作品でファンタジーに目覚めた、という感じではないんです。それでもやはりシリーズ全部読みたいもので、続けて全部読んだはずです。やはりシリーズ一作目はインパクトが大事ですからね、心を揺さぶりに来ますよね。
「普通の人が突然異世界に」は大流行していますが、昔から書かれていたということもわかります。でもなんか「クローゼットから異世界へ」という設定も、そんなにワクワクしなかったんですよね。今考えてみると、引き出しがタイムマシンだったり、どこでも行けるドアがあったりするあの漫画のせいだとわかりました。どうやらファンタジーより前に、かなり強烈なSFを履修していたようです。
C.S.ルイス『朝びらき丸 東の海へ』(1966)瀬田貞二訳、岩波書店
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