僕と幼馴染
春、僕は学校に向かうために朝の準備をしていた。
両親はともに海外出張で家を離れており、高校生活は一人暮らしのようなもだった。
入学式も終え、今日はクラスでの親睦会と部活動説明会を行うらしい。
簡単に身支度を終え、外に出ると幼馴染のナツミが家の前にいた。
「遅いよー、ハルキー。退屈で待ちくたびれたじゃない。」
ナツミはそう言って、少し怒っているようだった。
「ごめんね、ナツミちゃん。でも、まだ8時半だよ。9時から学校だし、10分もあったらつくでしょ。」
「いいじゃない別に!てか、ハルキの分際で私に盾突かないでよ」
そういって、ナツミはツインテールの髪をバシバシとぶつけてくる。
しかし、140センチ後半ぐらいしか身長のない、ナツミの攻撃は痛くもかゆくなく。
まるで、小さい子が地団駄踏んでるようにしかみえない。
ナツミは小学校からの幼馴染で、我儘な女の子である。
しかし、言動とは裏腹に人見知りの為になり振り構わず強めな態度を取ってしまう。
僕も、初めてあった時はナツミにかなり言われた覚えもある。
まぁ、高校生にもなったから大丈夫だと思うが、友達ができるか不安である。
「なによ、今失礼なこと考えてるでしょ!」
「そんなことないよ、ナツミちゃん。ほら、学校いくんでしょ?」
「ふん、言われなくても最初からそのつもりよ。ほら失礼なこと考えた罰として、カバンもちなさい。」
「いや、失礼なこと考えてないけど。仕方ないな、分かったよ。」
ナツミのカバンを持った俺は、先を歩く小柄でツインテールの髪をピョンピョンさせている、幼馴染の後を追いかけるのであった。
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