第35話 宅飲み4
「さすがにあそこでエロ動画はないだろう。しかも女性に聞くとか、どうかしてるぞ」
換気扇の下でタバコを吸いながらダメ出しされてます。
俺もどうかしてると思いますよ。
「一応反省はしてますよ。酔いのせいか、心の声が漏れてしまいまして。ほら、シン兄さんとかもポロッと素の自分が出たりするじゃないすか。あんな感じでポロッと漏れた的な」
シン兄さんの場合、ボロンって感じだけど。
うちの引きこもりがちなやつはポロッで合ってる。
「お前の素は変態なのか?」
そうです、私が変態なおじさんです。
「過ぎた事を気にしてもしょうがないですよ。次回から気を付けるという事で。という訳で、エロ動画見る方法教えてください。このままじゃニアからの評価が落ちただけになっちゃいますし。ニアも教えて貰えって言ってましたしね!」
後悔先に珍棒立たず、転んでもただじゃオッキしないよ。
「俺からの評価も落ちてるがな。…ったく、アヤネさんが俺に聞けっていうのならしょうがない、教えてやる。ほら、端末出せ」
シン兄さんの指示に従い、端末を操作する。
今日のどんな指示よりも前向きな姿勢で取り組む事ができますわ。
「これでエロ動画が出ただろ。後は金を払って視聴権利を取れば見れる」
「おお!ありがとうございます!!このご恩は一生忘れません!!」
肌色成分多めのサンプル画像であろうものが端末に並んでいる。
サンプル画像が小さいので見づらい。
使徒は端末がスマホサイズなのが悔やまれるぜ。
神界のエロ動画、神々のエロスとはどんなものなのかと、期待で胸と股間を膨らませながら適当な動画を選択。
題名はDopyuっと!クリキュア。
なんとなく選んだだけなので俺が魔法少女的な女子児童向けのアニメが好きな、大きいお友達ってわけじゃないぞ。
コスプレは大好物だけども。
何枚かの拡大されたサンプル画像と、詳細が表示される。
サンプル動画は無いようだ。
「…いや、まだ焦る時間じゃない」
次の動画を選ぶ。
題名はちびま○子ちゃん。
「…ほぅ?」
ほぅ?じゃねーよ。
単純に次にあっただけだ、ガチロリ担当は目の前の筋肉に任せているので俺の趣味じゃないです。
この動画もお気に召すものではなかった。
上から下へ、順番に動画を確認する。
色々なサンプル画像が表示されるも、どの動画も同じようなものだった。
「…シン兄さん。何このエロ同人ゲーを無理矢理現実にしたみたいな動画。サンプル画像がちょっとしたホラー画像じゃないすか」
下手くそな絵や3Dを現実の生身にした女。
それを相手にする、男のおそらく神か使徒。
よく興奮してオッキすんな、マジで。
クリーチャーだよ、あんなの。
ちなみに視聴するのに100円必要だそうだ。
誰が払うかっつの。
「…エロい部分の映像は異世界の人物等が相手じゃないと、システムが認めてくれないんだ。下位のエロ異世界動画を上げる奴は、かなりのマニアだと俺も思う。相当神力が高くないと、まともなエロい異世界には行けないんだよ。命懸けになるしな。それと、本物の女性のエロ動画を上げるのはシステムが認めない。何故かは知らん。文句があるならシステムに言え」
俺がシステムに文句言っても無駄でしょうに。
こんなの、先人の変態紳士達が文句を言わない訳がない。
それなのに改善されてないんだからお察しだろ。
「…もうちょっとまともな動画ってないんですか?それか、シン兄さんがやってたエロゲを買う方法を教えてください」
「…俺がやってたのは胸がキュンキュンする極めて真っ当なギャルゲーだ。それに、まともなエロ動画ならある。だが…ああ、だからアヤネさんは俺にエロ動画を教えて貰えと言ったのか。教えるなら今が調度いいし、女性からは説明しづらい事だしな。黒石君、もしかしたらショックを受けるかもしれないがいいか?」
胸キュンする真っ当なギャルゲーを楽しむ100歳オーバーの筋肉。
それはそれでどうかと思うが、まぁいい。
1人で謎の納得してないでまともなエロ動画を教えろください。
「現時点でショック受けてるんで。今更ショックの1つや2つ、どうって事ないです。それより早くまともなエロをください」
「ああ、わかった。ここの神界でのエロ動画で、まともなのを上げているのはあの家だけだ。テシガワラで検索してみろ。黒石君の探し方が悪かっただけで、ランキングで探せばすぐに出ただろうがな」
ほぅ、気持ちが先走り過ぎてそんな機能に気付いてなかったわ。
テシガワラを検索に入力、カモンまともなエロ!
パッと見期待度が高そうなサンプル画像が並ぶが、サンプル画像が小さいのでまだ安心はできない。
「お、動画に最新って書いてる!これにしよう!」
題名は、新人勇者と淫魔王の性戦!淫乱マーメイドの群れとの遭遇編!
詳細は、新人勇者をマーメイド達の恐ろしきビラビラが襲う!
濃い潮の香りが漂う舞台で、新人勇者と淫魔王軍との最初の性戦が始まる…。
サンプル画像のマーメイドが凄く綺麗。
耳や腕等、体の色々な場所にヒレの様なビラビラが付いている。
足が人間だったり魚だったりしてるが、魚タイプとはちゃんと戦えるのだろうか?
美しいマーメイドに俺の釣竿と2つのウキも満足気だ。
値段も1000円なら及第点。
なんだよ、神もやればできるじゃないかと支払いをしようとしたが、指が止まる。
マーメイドと性戦を繰り広げるだろう新人勇者がいけない。
これではイけない。
「なんであの糞イケメン野郎が男優なんだよぉぉぉぉぉっ!!!!?」
池田薫、糞ビッチの使徒として旅立った糞イケメンがそこにいた。
なにやってんのコイツ!?
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