第36話 宅飲み5
少し前まで日本の飲食店で働いていたイケメンが、ファンタジーな世界でAV男優としてデビューしていた。
わけがわからないよ。
知人が糞ビッチと契約して、AV男勇者になってたよ。
そのモザイク越しでも分かる勇者として装備された立派な性剣は、糞ビッチ女神から与えられた物なのですか?
俺は開いた口が塞がらないよ、カオル君。
君は開いた口を性剣で塞いだりする旅に出てるんだね。
「だからショックを受けるかもしれないと言っただろう。ほら、酒とタバコで落ち着け」
受けるかもしれないじゃないって。
こんなんショック受けるに決まってらぁ。
とりあえず冷静になる為に酒を喉に流し込み、タバコに火を着け一服する。
「…確かに、これはたまげましたわ…。どういう事なんです?お得意の説明を、プリーズです。ショックで下から血の気が引きましたわ」
エロマーメイドでアガりにアガった、オッキのワクワク感を返していただきたいよ。
最低でも群れの人数分はお世話になろうと思っていたのに。
あの糞イケメンのせいで心も股間も萎え萎え、せっかくのエロマーメイドが台無しですわ。
「…まだ微妙に混乱してる様だが元がアレだからまぁいいか。簡単に言うと、テシガワラ・ルミーナの家はエロ異世界を主に攻略して稼いでるんだ。そこの家の使徒なら、エロ動画に出るくらい当然だろう。勿論詳細は契約の時に説明されているはずだし、システムが使徒として認めているんだ。本人も納得済みだろうよ」
「はぁ…?じゃあ、あのイケメンは男優にノリノリで契約したって事?使徒になる儀式の時、ちょっとおかしくなってた気がしたのは何?つーか全部知ってた上に俺を放置したあげく、ボコりやがったし。…女性が苦手とか何だったんだ糞が!」
日本での飲み会前の一服中の話しで、ちょっと親近感が湧いた上にちょっと良いやつかもとか思った俺ってなんなの?
「黒石君は、そのイケメンと仲が良かったのか?信頼関係が築けているくらいに」
「…いや、そんな仲良くはなかったっすね。神界に転移する直前に、ちょっと良いやつかもと思ったくらいで」
信頼関係とか皆無だわ。
むしろ話しをする前は、イケメン死ねとか思ってたし。
「なら後で思う存分復讐してやれば、少しは気も晴れるだろ。相手は仲の良かった友人ではなく、ただのクズだろ?レイ様からある程度には復讐するのを許されていると聞いたぞ」
それもそうか。
あのヤリマンチンな女神と使徒には、いずれ復讐してやるとしよう。
とりあえずあのAV男勇者の性剣はへし折ってくれるわ。
「…了解、そうする事にします」
「それがいい。AV男優と監督の面接、それに長い実技試験に巻き込まれた可哀想な同僚が復讐するのを、俺も手伝ってやろうじゃないか」
「ハハッ、確かにその通りっすね。その時はお願いします!」
この筋肉ロリコン兄さんが手伝ってくれるなら心強い。
色々な復讐を考えておくとしよう。
「よし、それじゃあ復讐の成功を祈って乾杯だ!」
「うっす!乾杯!」
銀色の缶をぶつけあい、冷えたビールをイッキする。
いとうまし。
「…エロ動画はしばらく封印しときます。あいつらとあいつらの家に金払うのは、なんか癪なんで」
「そうか、では今度良いエロを売っている店に連れて行ってやろう。エロに厳しいシステムでは手に入らない、男の望みがそこにある。といっても、生身の女性の裸体の映像や写真なんかは所持してるとシステムに罰せられる可能性があるから、売っているのは有志が書いたエロ漫画とかだがな。俺もよくお世話になっている」
「今はそれで充分です。お願い致します!」
シン兄さんと固い握手を交わし、エロ漫画店に行く約束をする。
「そういえば、なんであのイケメンはいきなりあんなぐぅシコな異世界に行けたんですか?」
あいつそんな素晴らしい世界に行けるほどの神力とかないはずでしょ。
「ああそれか、契約した神と使徒は行ける異世界が共有されるからだ。それに自分の神力を貸し与えるスキルでも使ったのだろう。ルミーナ嬢は裏異世界でのパワーレベリングをしてもらって、かなり神力が高いはずだからな」
マジかよ。
あの糞ビッチって実は強い?
神力が高くなければ行けない異世界に行くくらいだ。
その使徒になった糞イケメンも強いのだろう。
復讐が遠退いて行くな。
まぁそれはいいとして、もう1つ疑問が湧く。
神力が高ければ素晴らしいエロ異世界へ行けるというのに、何故この筋肉ロリコンはエロ漫画にお世話になっているのだろうか?
「神力が高ければシン兄さんもぐぅシコなエロ異世界に行けるんじゃないんですか?何で行かないんです?」
「…行かないのは個人的な理由もあるが、それよりも大きな問題があるんだよ。黒石君、エロ異世界のジャンルは、戦闘に入る。そして攻略条件も厳しいし、死ぬ危険が高い」
「は?いや、エロも戦闘てのは分かりますけど死ぬとは?どんな攻略条件なんです?」
腹上死的なやつ?
死に方ではかなり幸せな死に方だと思われる。
「そうだな…エロ異世界は難易度が難しいで急に世界の創り込みが良くなるんだが…。例えば難易度難しいLV1の淫魔の世界。ここは単純にエロだけの世界で、攻略条件は淫魔を昇天させろ、だ。百戦錬磨のエロいサキュバスが相手で、こちらが精も根も尽きる前に相手を昇天できなければ自分が本当の意味で昇天する。干からびたミイラの様になった死体が神界に戻ってくるんだ。あ、教えてなかったが異世界で死んだらその異世界に入った場所に吐き出されるからな」
何その情報、怖いわ。
「でも、頑張れば攻略できそうじゃないですか?竿と腕に自信があればいくら百戦錬磨のサキュバスでもなんとかなりそうな気がしますし。それに個人的には好きじゃないですけど、複数人で攻略すれば…」
「10体だ」
「へ?」
「相手は百戦錬磨のサキュバス10体だ。異世界に入れる上限の5人で入っても、1人あたり2体が相手になる。しかも最初から10体が相手だ」
なんだと…複数だとしても棒が5に対して穴が前10+後10+上10…。
それにπが+20と手20…。
棒側の上5+手10を含めても無謀だ。
計算が合わないなんてもんじゃない。
多勢に無勢だ。
俺とか百戦錬磨の上1+π2だけで精も根も尽きかねない。
「無理ゲーですわ。どうやって攻略してるんですかそんなの」
「スキルだよ。精力強化、性技、自己再生なんかは必須じゃないか?ショップで最低1つ一億はするぞ。テシガワラ家は金にものを言わせて、大量のスキルを攻略する者に与えているんだろうよ。あ、黒石君の身体超強化はエロ異世界攻略に使えそうじゃないか?行ってみたいか?エロ異世界に」
ブルジョアめ、羨まけしからんな。
でも羨ましいだけでヤりたいかは別。
あくまでおっさんはイチャラブにこだわってイキたいと思います。
身体超強化がエロに使えそうだというのは朗報だけどね。
元彼女に下手認定されてから男の自信がズタボロで、全くそういった行為をしていなかったからな。
身体超強化を与えてくれた、ロリ巨乳女神万歳!
「エロ異世界は遠慮しときます。少し時間も経ちましたし、そろそろニアの様子を見に行きませんか?」
「おう、それじゃ行ってみるか。今日の攻略を確認し終わって、待たせていたら悪いしな」
エロ話はここまで、色々な情報があったが今は楽しく飲む事にしよう。
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