第27話異世界攻略 2
「あぁーっ!イラつくぅ!また挟み撃ちかよ!!」
本日2度目の異世界。
只今攻略中の難易度普通LV2、爆弾男の世界。
攻略条件、敵を倒せ。
シンさんいわく、赤、青、黒のヘルメットを被ったずんぐりむっくりな奴等三匹と、天井が3m位の何故か明るい、迷路のように入り組んだ狭い通路の中でバトルロイヤル。
前回と同じで原作無視して3匹倒せばよろしいとのこと。
ちなみに、今回は大鉄剣の使用禁止。
どんなスキルか把握する必要があるから、無の力でクリアしてみろだってさ。
狭いから邪魔になるだけだと思うし、別にいいけど。
仮想戦士の世界をクリアして、少し調子に乗っていたかもしれない。
サクッと終わらせてやんよ、とか思ってごめんなさい。
この異世界、ストレスが半端ない。
システムさんの雑仕様のせいか、爆弾男の世界なのに俺は爆弾を使えない。
しょうがないので自前の
どこから出したんだよ。
あの時ピコーンときて、無の力で俺を中心に半径2m位の丸いバリアを張れなかったら、ヤバかったかもしれない。
さっきの世界で神力を吸収できたから、新しい技が使えたのだと思う。
スキルをイメージするのが凄く楽になったし。
タイミングが良すぎるのは、きっとチートな無の力を造った神の思し召しだろう。
ご都合主義万歳、創造神様にマジ感謝。
まぁ、シンさんが近くにいてくれてるのでヤバい事にはならないと思うけど。
爆発に巻き込まれてるはずなのに、無傷で平然としてるし。
ある程度壁が壊れて見晴らしが良くなってきたあたりで、奴等の動きが活発化する。
目の前を通ったと思えば爆弾、後ろに気配を感じれば爆弾、颯爽と消える奴等。
滅茶苦茶ボンバーされてる。
だんだんと爆弾の威力と奴等のスピードが上がっているのは、きっと壁からたまに出てくるアイテムのせいだ。
壁から出てくるアイテムは、俺が持ってても意味がないので全部回収している。
ローラースケートや、顔のついた火の玉、点火されてない爆弾なんかだ。
爆弾が出た時はこれで俺もボンバーできると思ったが、ライターで点火するのに時間がかかる上に、威力が無玉の方が高いとかいうゴミだったので使い物になりませんでした。
ローラースケートとかサイズが奴等に合わせてるからか、妙にデカいし。
こんなの俺が履いたら死ぬスピードがアップするわ。
奴等は普通に履いてスピード上がってるのが腹立つ。
しかも奴等、完全に俺しか狙ってないからね。
もっとお互いに殺しあえよ、ゲームの対戦で同じ事されてたらコントローラーぶん投げるわ。
ずっと3匹がチラチラ見えては爆弾をばらまいていく。
ストレスマッハなうえ、このままじゃジリ貧だ。
まともに戦おうとしても壁や柱が邪魔で、奴等の動きを捉えることができない。
ダメ元で思いついた作戦を試してみる事にする。
チラチラ見える奴等から逃げるように迷路の隅っこへ行き、イメージしてみる。
神力の増えた俺ならできるはず…。
よし、いける気がするぞ。
俺はルール無用の男。
むっちゃゴリゴリアタックしちゃるかんね。
「シンさん!巻き込んだら悪いんで俺の後ろにいてください!もうアレが変になっちゃいそうなんで、ぶっ壊してやりますわ!」
「わかった。何をするつもりかわからんが、やってみるといい」
シンさんが俺の背後に移動する。
これで心置きなくブッパなせるってもんよ。
両方の手の平の上に、野球玉サイズの無玉を作成。
こっちにあまり被害が出ない位の威力をイメージしながら、力を込める。
さっきまで壁を壊すのに使っていたビー玉サイズの無玉とは違う、亀とキノコの世界で土管を抉り、大爆発した無玉バリバリver.だ。
壁を壊している時に柱にも傷がついていた事から、原作では破壊できない柱もぶっ壊せると判断。
土管も抉ってたし、いけるだろ。
信じてるよ、無の力ちゃん。
「世界ごとぶっ壊れろやぁ!!」
迷路が満遍なく破壊されるように、別々の方向へバリ無玉発射。
柱を貫通しながら進むバリ無玉を見届けて作戦の成功を祈る。
すかさず、シンさんが入るように無バリアを展開。
直後、閃光と共に破壊音が鳴り響き、壁や柱だったものがこちらに向かって吹き飛んでくる。
ヤバし、いとヤバし。
目の前が瓦礫で埋め尽くされていく。
全力でバリアに力を込め続け、ようやく破壊音が聞こえなくなった。
ぽっと出の癖に超有能だった無バリアちゃん、よく壊れずに頑張ってくれた。
愛してるよ。
だが、埋め尽くされた瓦礫で真っ暗だ。
バリアを解除したら、瓦礫で潰されるんじゃないの?
どうすんべ。
「…ったく。どっちが破壊神だっての。おい、そのままスキルを維持しておけ。明るくするから、端末でクリアできたか確認しろ」
丸い光の玉が周囲に浮かび、明るくなる。
俺は使徒だから百歩譲っても破壊神じゃなくて破壊使徒ですぅ~。
なんて思いながらも、バリアを維持しながらシンさんからの指示に従う。
「あ、クリア済みになってますね。帰還押します?」
「ああ、すぐに帰るぞ。こんな有り様じゃ、素材の回収も糞もないからな。一服しながら反省会だ」
「…ですよねー」
初回報酬の神力を吸収し、「あちゃー、俺またなんかやっちゃいました?」、では許されない雰囲気で神界へと帰還した。
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