第33話 武官オリオンの想い

 遠い星のかなたでは、今でも宇宙連合軍と帝国軍の何千年にも及ぶ闘いが繰り広げられていた。しかし宇宙の中心から遠く離れた辺境の惑星、地球にいるオリオンの時間は、信じられないほどゆっくりと、そして静かに流れていった。


 今まで、闘いに明け暮れる毎日を送っていたオリオンにとって、それは新鮮な驚きだった。しかしその心やすらぐ日々の中にいても、オリオンの心は晴れなかった。


 旅の途中で見失った、あの美しい夢のような、ルカと言う名前のレディーがいない。 オリオンはそれまで輪廻転生など全く信じていなかったが、今は信じたい気持ちでいっぱいだった。





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