第11話 帝国軍からの離脱 ①
医官ハンネスは親友であり、帝国軍の情報相であるオスカーを訪れ、ある決意を伝えた。
「エルフィンを守るために、この帝国軍から離脱する」
しかしその決意を聞いて、オスカーは驚かなかったし、反対もしなかった。
「そうだな。それが良いだろう。このままでは、エルフィンは今までの総統のお気に入りと同じ運命をたどることになる。遠からず、死ぬことになる」
とつぶやいた。
総統のお気に入りとなり、スピード出世を遂げたものは全員、最後は総統の怒りを買い、悲惨な最期を遂げていた。今回のことで、エルフィンは総統の怒りを誘発したことは、誰の目からも明らかだった。
「どこへ逃げたら一番安全なのか、教えてほしい」
「そうだな、たぶん、銀河星団の、あの辺境の惑星、“地球”だろう」
と言った。
「エッ・・・!
お前、本気で言っているのか?」
とハンネスは驚きながらオスカーを見た。
「地球は、敵の惑星だろうが・・」
「そうだ。だがしかし、今の地球は、驚いたことに、あのルシファーもヨハネも、そして統治神<シ>の右腕ミカエルまでもが、なぜだか、滞在しているんだ。
いくら総統でも、そんな惑星に、手を出したりはしない。
だからこの宇宙で、お前たちにとって一番安全な星だ。
警備は今までになく、強固だろう。だがしかし、エルフィンはその地球に侵入するのに成功している。 エルフィンとお前なら、たぶん可能だろう」
とオスカーはハンネスに言った。
「そして幸運なことに、最強の敵、ルシファーは今、フォースを自ら封印している。
それにお前たちの素性がばれたとしても、本当のことを言ってやれがいい。エルフィンはあの統治神<シ>の妹ぎみ、ヨシュアさまのお子だと。そうすれば、お前たちに
危害を加えることはないはずだ」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます