第35話 狩猟

停車した馬車の荷台からひょいと飛び降り、砂利を踏みつけた。


「ユウ、」


名前を呼ばれたので振り返って手を差し出すと、ノアがその手を掴んでゆっくりと馬車から降りた。

その後に続いてカインとマキナが馬車から出てきた。


「ふう、やっとついたか」

「思ったよりは早くついたわね」


カインとマキナが伸びをする。

目の前の大きな木製の立て看板にはリーゼンと書かれてある。その先にはちゃんとリーゼン村があった。王都と違って木製の建物が多く、随分田舎な感じがする。門も無ければ当然入口を守る兵もいない。

ここリーゼン村は王都から馬車で四時間ほどの距離にある。王都を出たのは朝方だったので、今は丁度昼飯の頃合だ。


「ねえユウ、」

「腹が減ったんだろ?村に入れば飯くらい食えるさ」


ノアの言葉を先読みして答えると、ノアが少し笑った。

そんな様子を見ていたカインが尋ねてきた。


「本当に良かったのか?ノアちゃんまで連れてきて」


ノアは冒険者じゃないし、見るからにか弱そうだ。魔物退治に連れてくるのは危険だと思ったのだろう。


「あ〜大丈夫大丈夫、こう見えてこいつ強いからさ」

「そうなのか?ならいいんだけどよ」


もちろん嘘である。ノア自身に戦闘力は無い。無いが、彼女は絶対に傷つく事は無いし、連れてきても問題は無かった。と言うか彼女がイノシシの肉を食いたいと望んでいるので、そもそも置いて来れない。


「とりあえず、依頼主の村長の家に行ってみましょう」


そう言ってマキナが馬を引っ張り始め、続くように俺達は村の中へと足を進めた。


――――


――



「おかわり、ちょーだい?」

「ま〜可愛らしいお嬢さん!美味しそうに食べてくれて嬉しいわ〜」


美味そうに村料理を平らげるノアを見て、ふくよかなマダムが嬉しそうに頬を染めている。

そんな後ろで、俺とカインとマキナは村長に依頼の詳細を聞いていた。


「それで村長さん、エヴィルボアはどの辺で出没してるんだ?」


カインが尋ねる。


「村人が襲われたのは、村のすぐ近くにある森林の西側辺りです。エヴィルボアは元々気性の荒い魔物ですが、より一層気が立っている用で、現場の木々は随分と荒らされていましたな」


カイン達から既に獲物の情報はある程度聞いている。大人のエヴィルボアで大体五メートル前後の体躯で、攻撃は基本突進のみだが突進の速度を加速させるスキルを持っている肉食の魔物だそうだ。


「しかし奴らの元々の住処は森林の奥だったんだろ?何で村の近くなんかに移動してきたんだ?」

「それが私達にも分からぬのです。エヴィルボアと言えばこの辺りの生態系ではトップの魔物。餌に困ることなどそうそう無いはずなのですが。それにおかしなことに、近頃村の近くで様々な魔物の姿が目撃されているのです。幸い弱い魔物ばかりですし、村の周りには魔物避けの魔道具を設置しているので村にまで入って来たりはしておりませんが……」

「森林の奥で何かあったのかしら。例えば餌が取れなくなるような災害とか……」

「ま、考えてても仕方ないさ。取り敢えず今回はイノシシ狩って来りゃいいんだろ?」

「はい、今のところ問題となっているのはエヴィルボアだけですので」


これ以上話していてもしょうがない。俺たちはすぐに森林へと向かうことにした。



鋭く甲高い威嚇の声が森の中に響いた。

情報通りイノシシと酷似した見た目に五メートル程の大きな体躯、エヴィルボアが木々の合間を駆け抜ける。足音から相当な重量が伝わってくる。


「そっちへ行ったわ!」


マキナの声が森林にこだました。

エヴィルボアの猛々しい牙は、恐ろしい速度でこちらに向かって近づいて来る。


「オラッ!」


格闘技経験など無いが、見様見真似の左回し蹴りが体重数トンはあろうエヴィルボアの巨体を弾き飛ばした。

エヴィルボアは不細工な悲鳴を上げて転がったが、命を刈り取るには浅かったようだ。ふらつきながら再び走り出そうとしている。


「逃がすか!任せろ!」


カインが細剣を腰から抜き、空中へ身軽に飛び上がった。

彼の持つ細剣が赤く眩い光を上げて、空気を沸かせる。


「光炎閃――ッ!!」


カインが技名を叫ぶと、輝く剣先から強烈な熱線が対象へ真っ直ぐに打ち出され、エヴィルボアの体を容赦なく焼き貫いた。

体に穴を空けられ内蔵を焼かれたエヴィルボアは、その場にズッシリ重たく倒れ込んだ。

カインがスタッと着地したところで、


「もう、そんな大技使って……少しは魔力のこと気にしなさいよ。それに森の中で熱魔法は使っちゃダメでしょ」

「へいへい、分かってるっての」

「ほんとに分かってるの?」


また始まった。

マキナがガミガミと口うるさく言って、それにカインが適当に相槌を打つ。普段からこんな感じなんだろうなと、何となく思う。


「おーい、夫婦喧嘩はやめて早いとこ死体回収してくれ」

「ちょっとやめてよユウさん!こんな男と夫婦だなんて冗談じゃないわ!」

「おいマキナっ、そりゃどういうことだ!」


勘弁してくれ。


「しっかし流石に強いなユウは。接近戦にも慣れてるみたいだし、このままウチのパーティーに入っちまえよ」

「あ〜、考えとくよ」


今回のパーティーの構成では俺が近接戦闘で敵を引き付け、マキナが遠距離攻撃とサポートを担当、カインは中距離からスキを伺い一気に勝負を決めるフィニッシャー的な役割だ。今までは単独での戦闘しか行ってこなかったので正直初めは戸惑ったが、やってみると意外と上手く連携が取れる。カインとマキナの立ち回りが上手いのだろう。


「よしっ!これで残りは二体だな」


カインがボックスに魔物の死体を収納した。

今倒したヤツで既に合計四体のエヴィルボアの討伐に成功している。倒した魔物の死体はカイン達のボックスの中に全て収納されていた。何せ俺のボックスリングの最大収納量は600キロしかないので、エヴィルボア一体すら収納出来ない。カイン達の持っているボックスは首飾り型のモノで、指輪と比べると魔力石がかなり大きい。魔物などを収納する用のボックスなんだとか。あの様子だと相当な量の収納が可能だろう。


「思ったより順調ね。この感じなら今日中に依頼を終えられそう」

「俺達のパーティーが最強過ぎんだろ〜?」


確かにここまでは物凄く順調だった。カイン達が手馴れていると言うのもあるが、一番役立っていたのは他でもないノアだった。


「ノア、他のイノシシ達はどっちにいると思う?勘でいいから」

「ん〜、こっち」

「お、またノアちゃんの索敵スキル発動か。頼もしいぜ」


ノアが適当に木々の奥を指さした。きっとそっちにエヴィルボアがいるに違いない。


「けど、少し妙じゃない?」


不意にマキナが顎に手を当てて言った。


「妙って何がだよ?」

「エヴィルボアは本来複数の群れで行動するはず。村の人が襲われた時も群れで行動してたって言ってたわ。けどさっきから単体で行動してる個体しか見ていない」


言われてみるとそうだ。これまで倒してきた内二体は共に行動していたが、残り二体は単独だった。群れで行動せずバラけているのは確かに妙だ。


「今考えたって分かんねーよ。一体ずつ相手に出来るんなら、こっちとしても有難い話だし。それよりさっさと進もうぜ」


カインが言うので、俺達は再び索敵を開始した。時折立ち止まってはマキナがコンパスで方角を確認し、カインが慣れた手つきで木々に印をつけていた。迷わないための行為のようだ。マッピングがあるじゃないかと思ったが、念には念をということらしい。流石Aランク冒険者だ。


「止まれ」


先頭を行くカインが手を出して俺達の行く手を遮った。

カインの視線の先、地面に大きな足で踏み荒らされた跡がある。


「足跡か……?」

「そうみたいね」

「この足跡、多分エヴィルボアのものだが……物凄い速度でこの森を駆け回ってるみたいだな。見てみろ、奥の木々がなぎ倒されてる」


カインが指をさした方へ顔を向けると、大きな木々が根元からへし折られていた。


「変ね……まるで逃げ回ってるみたい」


痕跡を見る限り、逃げ回っていると言う言葉は実にしっくりくる。逃げ回っているのだとしたら、本来群れで行動するエヴィルボアが散り散りに行動しているのにも納得がいく。

しかしだとすると暴れ回る理由はなんだろうか。村長も言っていたが、エヴィルボアはこの辺一帯で一番強い魔物だ。逃げ回る意味が分からない。考えられるとするなら、


「エヴィルボアより強い魔物がこの辺に現れた、とか」


俺が呟くと、カインとマキナが顔を見合せた。


「それが本当ならやべぇぞ。早いとこ見つけ出して狩猟しないと」

「そうね、先を急ぎましょう」


俺達はすぐに跡を追った。

その先で、


「おい、どうなってんだこりゃ……」


カインが呟く。

行き着いた先にあったのは、エヴィルボアの死体だった。二体とも皮膚を焼かれ、腹を喰い破られ内蔵が散らばっていた。

血肉のやける嫌な匂いが充満している。


「うっ」


思わず口元を押える。魔物のはらわたとは言え流石に気持ちが悪い。


「誰がこんなことを……」


困惑した顔のマキナが呟いた、その瞬間――。


「なんだ!?」


上空を大きな影が横切った。

すぐさま空を見上げると、そいつはいた。全長およそ七メートル程、全身に緑色の鱗がびっちり敷き詰められていて、巨大な翼を広げ浮遊している。蛇のように鋭い目には明らかに敵意が映っていて、こちらを確実に捉えている。

歪な咆哮が響いた。


「まさか、ドラゴンか……」


あの時の恐怖がじわりと蘇ってくる気がする。

以前俺が対峙した白竜とはサイズも鱗の色も全く違うが、その風貌はあの時のドラゴンと良く似ている。


「いや違う、ワイバーンだ!」


カインが叫びながら剣を引き抜いた。

ワイバーン。確か王城の本でドラゴンについて調べていた時、そいつの名前も乗っていた。ドラゴンとは違い、前脚が翼となっている種類だ。ドラゴン程の力や魔力は持っていないが、かなり凶悪な魔物の一種だったはずだ。

ワイバーンの牙の隙間から、ゆらりと炎が溢れ出た。


「ブレスが来るわ――ッ!!」


マキナの叫び声と同時に全員が一斉にその場を飛び退く。


「ばかっ、こっち来いノア!」


俺はノアの腕を引っ張り寄せた。

その瞬間先程居た地面が強烈な火炎で焼き払われる。

木々に炎が燃え移っていく。


「下がってろ」

「ありがと」


ノアを背中に隠しながら考える。

ブレスの火力は思ったより強くはない。前戦ったドラゴンが強過ぎただけなのか。もしくはこのワイバーンも人間を舐めて本気を出していないのかも知れない。しかし戦いが長引けば木々が燃えて不利になる。それにこの場所から村までそれ程距離もない。前みたいに強力な爆発で吹っ飛ばすなんて真似は出来ないし、そもそも村に被害が出れば報酬どころではなくなってしまう。


「くそっ、どうなってんだ。何でこんな所にワイバーンが……」

「考えてても仕方ないわ。見たところそんなに大きくないし、魔法の威力もさほど強くはない。私たちが協力すれば何とかなるわ」


カインとマキナの額に汗が滲む。

Aランク冒険者と言えど、空を飛ぶワイバーン相手はかなり厳しいみたいだ。

魔物の中でも飛竜種が最強と言われる所以、それは強靭な肉体や圧倒的な魔力もそうだが、何より奴らが空を飛べることにある。一度空を飛ばれたら、地上からは魔法等の長距離攻撃以外届かない。故に空を飛べない全生物にとって、飛竜種はまさに天災に他ならないのだ。カイン達が焦るのも無理はない。

しかしそんな時カインが、


「ユウ、俺とマキナが時間を稼ぐ。その隙にノアちゃんを連れて村に戻れ。村人達を避難させるんだ」

「は?でもお前達は……」

「誰かがやんなきゃだろ。火の手が村まで行っちまったらまずい。それにノアちゃんを守りながらじゃ戦えないだろ?」

「ここは私達に任せて。あの時の借りを返してみせるわ」


二人はやる気満々だ。彼らがそう言うのなら俺は構わない。奴を倒す算段もきっとあるのだろう。


「分かった……死ぬなよ」

「バーカ、誰に言ってんだ」

「Aランカーの実力、舐めないでよね」


そうして俺はノアを連れ、村の方へと走り始めた。


――――――


――――


――


ノアを抱き抱えて森の中を走り抜ける。最初は彼女の手を引いて走っていたが、俺が抱えて走った方が遥かに早いことに気づいた。とにかく急いで村人達を避難させなければ。

草木を掻き分け木々の合間をすり抜けていく、そんな時。


「――!?」


足に急ブレーキをかけ飛び退いた。

一瞬遅れで地面が爆発する。


「くそ、今度は何なんだ……!」


ノアを抱き抱えたまま見上げると、前方上空にワイバーンが翼をはためかせ浮遊していた。一瞬カイン達がやられてしまったのかと思ったが、直ぐに先程とは別のワイバーンであると分かった。

ワイバーンの背に誰か乗っている。二人だ。


「おお〜今のを避けるんだ〜。やるじゃん」


少年のような声。

攻撃を仕掛けてきたのはこいつらか。


「誰だお前らは?」

「おほっ、怒った怒った」


俺が睨みつけると、ワイバーンがゆっくりと羽ばたきながら地上へと降下し着地した。

見たところ二人とも全身黒い服に身を包んだ男のようだ。しかし一人はまだ子供だ。赤茶色の髪に生意気そうな面、背丈は隣の奴の半分くらいしかない。もう一人はくすんだ青髪に逞しい体つきの男だ。しかし二人ともこれまで見てきたどの種族とも決定的に違う特徴を備えていた。

黒いヤギのような二本の角。ガタガタで肌触りの悪そうなそれが、頭から生えている。本で読んだ魔人族の特徴にそっくりだ。


「まさか……魔人族?」

「ほぉ、俺達の種族を知っても平然としているとはな、人間」


くすんだ青髪の男が偉そうに顎を触っている。

まさか偽物の角を頭に引っつけて魔人族ごっこをしている兄弟、なんてことは無いはずだし、やはり魔人族で間違いはないのだろう。

魔人族は二本の角を有し、強力な身体能力や魔力を秘めているという。しかし、彼らのいる魔大陸はこの大陸とはかけ離れた位置にあり、今は完全に鎖国状態だったはずだが。一体何故こんなところに魔人族が。

状況が今一飲み込めないが、攻撃してきたということは少なくとも奴らには敵意がある。まずは情報を引き出しつつ、不意をついて倒すしかない。


「ノア、ちょっと下がってろ」


俺は抱えていたノアをゆっくり下ろす。


「何で魔人族がこんな所にいる?何が目的だ」

「なに、ちょっとした実験をしてただけだ」

「実験……?」

来るきたる日のための実験さ」


意味がさっぱり分からない。

しかしワイバーンの背に乗っているということは、さっきのワイバーンもこいつらの手駒ってことは間違いないはずだ。


「なぁーそんなことより、さっさとコイツ殺そうぜハデル」


魔人族のガキが退屈そうに話を変える。これ以上情報を引き出すのは無理かもしれない。

仕方がない――先手必勝だ。


全力で地面を蹴りつけ、瞬く間に奴らの元まで踏み込んだ。ボックスから漆黒の魔剣を取り出し、振りかざす。


「――――」


斬撃の音が遅れて聞こえた気がした。

剣を振るった衝撃は突風を巻き起こし、同時に鮮血を舞わせる。

魔人二人が反応を示したその時には既に、刹那の一太刀がワイバーンの首を跳ね飛ばしていた。


「――ッ!?」

「――何だっ!?」


反応が遅れた魔人族の男達。

その瞬間さえも見逃さない。

返す刃で目の前にいたガキの魔人に斬り掛かる。


「避けろベートォォオ――ッ!!」


その叫び声と同時、肉と骨を断つ感触が剣を持つ手に伝わった。


「ぐぁあ゙あ゙あああ――ッ!!」


辛うじて躱された剣撃は、ベートと呼ばれた少年の右腕を切り落とした。

しかし相手もバカではない様で、痛みを堪えながらもバックステップで距離を開ける。


「ベートッ!しっかりしろ!」

「ぐぅ……僕の、僕の腕が……」


目の前でハデルとかいう男が片腕をなくした仲間を気遣っている。こいつら魔人族にもちゃんと仲間意識みたいなものがあるらしい。

とは言えやらなきゃ殺られていたかもしれないし、先に攻撃を仕掛けてきたのはあっちだ。恨まれる筋合いはない。

相手の様子を伺いながらも、一歩ずつ近づいて行く。

二人の男の目付きが先程とは完全に変わっている。恐怖、怒り、困惑、色々混じってはいるが、間違いなく俺を強敵と見なして警戒している目だ。さっきみたいな不意打ちはもう通用しないだろう。


「おい魔人族、目的はなんだ。ここで何をしていた。話せば命だけは助けてやるかも知れないぞ」

「ふ、ふざけるなっ!!誰がお前なんかに……殺してやるっ!!」


片腕を失った少年が左腕を突き出した。

次の瞬間には、直径にして一メートル程の巨大な火球が解き放たれていた。

驚いた。凄まじい魔法構築速度だ。

だが――


「遅せえ!」


ストレートに飛んで来る火球を、魔剣が斬り裂く。火球は左右に分断され、発生した衝撃波によって直ちに霧散してしまった。


「そ、そんなバカな……」

「なんなんだあの剣は……」


正直、内心ホッとしていた。それはワイバーンも魔人も思ったよりずっと弱かったからだ。特にワイバーンは以前戦ったドラゴンを基準にして考えていたので、かなり苦戦するんじゃないかと思っていた。この分ならこいつらを倒した後、すぐにでもカイン達を助けに行って良いかもしれない。

その前に聞き出せる情報は聞き出した方がいいよな。


「あ〜お前達、もう一度だけ聞くけど」

「ワイバーン!そこの女を狙え!!」


俺の言葉を無視して青髪の魔人が叫ぶ。

振り返るともう一体のワイバーンが上空から颯爽と飛び出してきた。狙う先は棒立ち状態のノア一択。


「しまっ――」


しかしワイバーンの牙は彼女に届かない。ノアの身体に触れるすんでで、その鋭い牙は見えない壁に阻まれている様にピタリと静止していた。

俺はすぐに空中で止まったワイバーンに飛びかかり、容易くその首を切り落とした。首の無い巨体がズシリと地面に落下する。


「大丈夫かノア?」

「うん、お腹減ってきた」


ノアは全く何事も無かったかの様にそう言った。相変わらずとんでもない能力だと思う。

たがこれでお互いの戦力差も分かっただろう。


「おいお前ら、もういい加減諦め……て……」


しかし振り返るとそこには、魔人族二人の姿は無かった。



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