第150話 やっほー!元気にしてたー?の件

 帝都を目指し、進軍していたのは砂漠の国ザントだけではない。

 竜騎士の国リト・レギア王国も同じ頃、新国王自ら飛竜にまたがり帝都グラン・シュタットに向けて兵を伴っていた。


「ソラリス様、帝都はもうすぐです」


 竜騎士団の精鋭部隊、レギアナ・セクンダディのリーダー、竜の牙グリンディーが竜の上から先陣を往くソラリスに報告した。


「ああ――」


 すると突然、ソラリスを頭痛が襲った。


「何!」


 ソラリスは目の前が真っ暗になった。


 ――何だ、この空間は。


 ただの頭痛ではないことには気付いていた。

 暗闇の空間の真ん中に、金色に輝く何かが見えた。


 ――あれは、まさか。


 金色に輝いているものもまた、ソラリスの存在に気が付いた。

 そして話しかけた。


「あれ? そこにいるのはソラリス? やっほー! オレ、リュートだよ! 元気にしてたー?」

「リュートだと……?」

「あはははは! 久しぶりに見たけどやっぱりカッコいいな~! オレは元気だよー! じゃ、まったねー!」


 と、言い終わるとリュウトは消え、謎の暗闇の空間も消えた。


「な……」

「ソラリス様、顔色がよくありませんが、大丈夫ですか」


 行軍の途中で意識を失ったように見えたソラリスを、グリンディーが心配した。


「大丈夫だ」


 ――さっきのリュートは何だったんだ。白昼夢か? いや、違うな。あれは夢ではない。本物のリュートだった。ということは。


「目覚めたか、リュート……」


 そして、レギアナ・セクンダディと国王ソラリスは帝都に到着した。

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