第117話 第二ポイント突破の件

 リュウトと別れたアリアは、単騎、第二ポイントへ向かっていた。


「風竜、リュウトさんが心配?」


 アリアは風竜に尋ねた。


「そっか、シリウスの方が心配だよね。風竜はシリウスのことが大好きだもんね……」


 リュウトは別れる前に「オレを信じてほしい」と言っていた。

 その瞬間を信じることは容易いが、時間が経てば経つほど「信じること」は難しくなっていく。

 リュウトは追いつくことができるか、とアリアは不安にならないことはなかった。


 数時間飛び続けていると、第二ポイントが見えてきた。第二ポイントはタピーショ村の上空だ。


 アリアの後方ではグリフォン姉妹の四人が追い上げてきている。


「ち、違う……」


 アリアはつぶやいた。

 グリフォン四姉妹が追い上げているのは、風竜にも疲れが出はじめているからだ。

 アリアは全速力で走るよう風竜に命じた。

 リュウトのためにも勝たなくてはいけない。


 だが、タピーショ村の上空で、グリフォン四姉妹の長女アンナにアリアは抜かされてしまった。

 第二ポイントのゴール目前でアリアは負けた。


「そんな……嘘……」


 グリフォン四姉妹は先に進んでしまった。


「リュウトさん、ごめんなさい……」


 風竜とアリアは力なく進んでいった。

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