呪われた王室編
第71話 祖国へ帰ろうの件
マギワンドの僻地の砦の最上階に捕らわれていたアリアは、リュウトの救出により解放された。
遅れて、ラミエルと風竜が最上階に到達した。
「アリアー!」
「ラ、ラミエル!」
アリアはずっと抱きしめていたリュウトから手を離した。
「無事だったのね! アリア! ああっ! あたしのアリア! 愛してるわ! もう離さないんだから!」
と言ってラミエルはアリアを潰しかねない勢いで抱きしめた。
「ちょ……ラミエ……くるし……!」
「ああ! ごめんねアリア!」
ゾナゴンも、アリアとの再会を喜んだ。
「アリア! 久しぶりぞな~!」
「ゾナ先生!」
「今はゾナゴンという名前で呼ばれているぞな! アリアも我のことをゾナゴンと呼ぶぞな~」
「ゾ、ゾナゴン?」
ドラゴンたちも喜びの大合唱をした。
「みんなにまた会えて、本当に嬉しい」
アリアはまた涙が出そうなった。
「ここへは……みんなで来たの?」
「そうだよ」
リュウトが答えた。
「あのねえ! アリアのお兄さんがやな感じだったのよ! アリアを助けたいって話をしたのに、軍を動かしてくれなかったの!」
「ソラリス兄様……」
アリアの顔が暗くなるのを察知したリュウトは、とっさに嘘をついた。
「ち、違うよ。ちょっと訳ありだったんだ。ソラリスも心配してたよ!」
ようやく会えたアリアだ。大変な目に遭ったアリアにこれ以上の負担をかけさせたくないとリュウトは思っていた。
「だからさ、オレたちのリト・レギアに帰ろう。一緒に!」
リュウトは目一杯明るい調子で言った。
アリアはリュウトのやさしさを感じ取った。
――リュウトさんは、変わらない。いつもやさしく包み込んでくれる。
アリアは久しぶりに、笑顔になった。
こころの底からの、偽りのない笑顔に。
「うん! みんなで帰ろう。リト・レギアに!」
一同は、嬉しいのに涙があふれてくるこの場に、困惑しつつも、再会を喜び合った。
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