第18話

 ザシュ!グリッ!ブシャーーーーーーーーーーーーー!


「わぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁ!めちゃスプラッター」

 町から離れた山の中。うっそうと茂る森で見張り中だったらしい盗賊の一人を槍で突き殺したら大量の返り血を吹き出して倒れた。

「うっわ~~~~~、返り血でベッタリだ。気持ちワルー」

「てっ、ノエルあなたゴアにフィルター掛けてないの?」

「?ゴアってなんですか」

 ソラがノエルのリアクションを見て驚いた様に訊ねる。

「ゴアってのは暴力的でグロいモノよ」

「そうなんですか。よく分かんなかったのでフリーにしてます」

「馬鹿ねそれじゃあ気持ち悪いでしょう」

「でも、こう言うのが好きな人もいるんですよね」

「そりゃあね。で、あなたは好きなの?」

「嫌いです」

 真面目な顔で答えるノエルにクーガの肩の上のソラがあきれた顔で返す。

「ならコマンドウィンドウ開いてシステム設定からフィルターを掛けときなさい」

「分かりました。ところでこのレーティングって何ですか」

「年齢制限のことよ。ゴアや性的描写を制限するのよ。本当なら生体認証で自動的に設定されるはずなんだけど」

「ふむ、私がアンドロイドだからスルーされたってとこですかね。ちなみにコレ解除するにはどうしたらいいんですか?」

「システムで解除申請して利用規約に同意するのよ。でもこれ普通のアプリみたいにスルー出来なくてスターウォーズのプロローグみたいに――――」

「うわっ!何ですかコレ。目の前で文字が下から上へと登って行きます。しかも書いてあることつまんない」

「……やったわね」

「多分あれエロ目的ですよ」

 ソラのあきれ声にクーガがため息交じりで答える。

「ああなると10分は動けないわね」


 で10分後。

「ふう、ようやく目と耳からのお小言が終わりました」

「あれ、音声ガイダンス付きなんだ」

「ではいざ限定解除」


 ピロリン。


「あ、ノエルがエロ解除した通知が来た」

「うわ~~~、もれなく親バレなんてミーゴってば親切~~~」

「はっはっは、私は親バレ恐くない。さあいざ女の子モンスターをアーマブレイク脱がせにいきましょう」

 このノエルの発言を聞いてクーガはふと思ったのでソラに聞いてみることにした。

「そう言えば社長ってクリスマスイベントの時幼馴染をNTRしようとしてましたが、やっぱりエロ解除してるんですか」

「ええしてるわよ。だからクリイベん時ワタシアーマブレイクしたんじゃない。てか、クーガ君こそエロ規制してないよね。ワタシの下着姿見たんでしょ?」

 といたずらっぽく見下ろしてくるソラにクーガは負けじと言い返す。

「してませんし見ましたよ。でも、その後には裸を見たり触ったりしたでしょ」

「舐めまわしもしたね」

「ツッコまないでください」

「突っ込んだのはクーガ君でしょ。結構痛かったんだから」

「それはすみません。てかオヤジギャグとかやめません。ノエルの奴がメッチャ見てきてます。」

 クーガが言うようにノエルは興味津々な顔で2人を見てたのだった。


「ところでなんでワタシがレーティング規制かかってると思たわけ」

「いや、社長子供ぽいし生体認証に引っかかってるかなぁ~て」

「引っかかってねぇし。バカにするな」

 クーガは思いっきりどつかれ回された。

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