第9話
さて、ボッツにプレゼントを渡した2人は今度はボッテの居場所を探して図書館の中を探していた。
それというのも――――
「ボッテなら一緒に図書館まで来てましたよ。でもそこからは何処に行ったかはオイラは知らないです」
と言うヒントにならないようなヒントを元に図書館の中をしらみつぶしに調べているところだった。
「くっそー、全然見つかんねーな」
「そうだね。ヒントすら見つからない」
クーガたちがぼやきながら次の部屋に行くため動く床の廊下にやって来た。
「ほい、ほい。もう慣れてきましたぜっと」
そう言って踏んだ足場が突如、フッと消えてしまった。
「って、消える足場だと~~~~~」
「しまった。油断した~~~~。アイテム2号はもってないんだよ~~~~」
と叫んで暗い穴の底へとクーガとソラは落ちていった。
ぴちょん …… ぴちょん――――
薄暗くて岩肌がむき出しの空間にしとしとと水滴が落ちてくる。
しくしく。
それは岩肌から零れ落ちる水滴か。
しくしく。
はたまた柔肌から零れ落ちる水滴か。
ただその水音だけが響く暗がりにうずくまる者がいた。
そこに――――
「「ああああああああああああああああああああああああ」」
新しい音が産まれそして空を切り裂く音と共に暗くて遠い天井から何かが落ちてくる気配が暗い地下道に広がった。
その気配にうずくまって居たモノは顔を上げると。
ひゅーーーーー~~~~~ どぉん!
チラリと見えたのは必死にっ天上に手を伸ばす肉の塊だった。
落下地点にはガラクタが山となっており、降ってきた肉塊ことクーガはその山の天辺に突き刺さり奇怪なオブジェクトのようになった。
「くそう。なんかすごく無様な恰好してる気がするぞ」
そう呟くクーガにクーガが掲げた手の上に鎮座するソラが答える。そうこんな風に――――
「地獄の穴の底から極楽浄土に聖なる子供を捧げて救いを求める亡者の群れのようだな」
「自分で聖なる子供って言っちゃっていいんですか?」
クーガとしては子供扱いでいいのか?という意味で発したつもりなのだが、ソラは違う風にとらえたのか。
「私が邪悪だって言いたいのか?」
「いや……違……」
「じゃぁ、思う存分にワタシの邪悪ぷりを味わいなさい」
「ちょっと待って、……い、いや~~~~~~」
「こら~~!何をこんなところでイチャついてやがるです」
「うわ!」
誰もいないと思ってクーガに
「しゃ、社長~~~~」
そのソラを追いかけてクーガもガラクタの山から抜け出して転がり降りる。
「社長大丈夫ですか」
「大丈夫に決まっているだろう。過保護過ぎるぞ君」
「そら社長のことですから心配しますよ」
「くっくっく、ダジャレになっているぞ」
「そうですね。だって――――」
「だからこんなところでイチャつくんじゃないって言ってんです!」
と、またイチャつき始めた2人に対してステッキをお構えた人影が立ちふさがった。
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