第13話

「と、そういう訳で俺らには付き合えないだろ」

「おぉぉぉう、なんで初期状態なんじゃい。そこはボーナス付けとかんかい」

「というか、ノエルのジョブは?」

 と言うソラの言葉に、ノエルが確認すると。

「アバターの見た目以外完全な初期状態、Lvも1のまま」

 震えながら崩れ折れるノエル。

「どうやら今日の予定はノエルの育成ね」


「それでノエルはどういうプレイがしたいんだ」

「プレイスタイルですか?」

 クーガの問いにノエルは「う~ん。」とあごに人差し指を当てて考える。

「ノエル的にはいろんな人と冒険したいです」

「なら、万能タイプか便利なサポートタイプだな」

「一応ノエルの設定は古代の神の尖兵のアンドロイドですので、敵をばったばった倒したいです」

「ならばソロでも立ち回れる万能型じゃないかしら」

 ソラの言葉に、

「万能型、いいですね。万能メイドロボとか憧れます」

「それなら最初のジョブは戦士かな」

「他に何が選べますか?」

「戦士のほかには、弓兵、盗賊、魔術師に僧侶」

「鍛冶師とかはないのですか」

「そういうのは2章までメインシナリオを進めてサブジョブを解放してからね」

「気を付けろよ。そこから一気に選択肢が増えるがハズレも多いから。」

 かつて奴隷に落ちたことのあるクーガが脅すように言う。

 それを肩の上のソラが頭を叩いて黙らせた。

「とりあえず2章を目標にしてどうするか決めましょう」

「そうですね。ならばこれにします」



 ヒュンヒュンヒュン。


 ビシュ!


 ぶおぉん!


 クルクルクル。


 ビシ!


「どうですか、ノエルの槍さばきは」

 戦士を選び、槍を振り回して最後に決めポーズをするノエルをクーガとソラは手を叩いて誉める。

「おお~、恰好だけはいいな」

 ポコ。

「いじわる言わない。安心しなさいノエル。FCOでは思い通りに動けるってことが重要だから」

「ありがとうございます、社長。それで、ステ振りですが10ポイントの内――――」

 FCOではプレイヤーはいろんなことで手に入るステータスポイントを5つの項目に、自由に振り分けることができる。


 筋力。

 知性。

 素早さ。

 器用さ。

 運。


 これ等のステ振りでアバターの性能が変わって来る。

 そしてこのステータスとジョブの組み合わせが攻略の鍵となる。


「うん、いいんじゃないかしら。バランスが取れてるわ」

 ノエルのステ振りを確認したソラが太鼓判を押す。

「それじゃあメインクエストに行きいましょうか」

「付き合ってくれるのですか」

「もちろん。とはいえこういう場合私たちには制約が掛かるんだけどね」

「制約ってあれですか、社長たちが弱くなる奴ですか」

「そうそう。経験値も入らないしね」

「やられることはないけど、ダメージキャップが入るんだよな」

「あと私たちじゃ止めが刺せなくなる」

「なるほど、頼りきっりにはなれないのですね」

「そう言うこと。それじゃあ、スタートする国を選ぼうか」

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