第11話

「ご覧の通り2か月前までは2%。先月が6%です」

 あっくんは社員全体よりノエルに語るように声を出す。

「それが今月になって15%を出したのは、多くのプレイヤーがキャラクターを育てて未踏破区域に挑戦し始めた証拠でもあります」

 それにノエルは深くうなずいてから答える。

「それで、この中で未踏破区域に挑戦したものは居ますか」


 それに手を上げたのは社長のソラ。

 ソラの相棒のクーガ。

 皆のアイドルミーア。

 盾役のあっくん。

 回復役のQべぇ。

 そして、最年長の茂さんだった。


 Qべぇは回復役のプリースト役らしく白い神官服に身を包んでいる。

 装備も十字架をあしらった杖である。

 リアルと一緒でぽっちゃり系でゆるふわカールのお姉さんだ。


 そして茂さんだが、

「ワシはソロで何度か行ってきたぞ」

 リアルでも90超えとは思えないかくしゃくぷっりだったが、ゲーム内ではまさに歴戦の老兵だった。

 実際、2か月前の未踏破区域の攻略は茂さんと、そのリアル戦友フレンドの成果であった。

 その茂さんのアバターだが、名前は「トウゴウ」。ジェネラルトウゴウの異名を持つ、筋肉ムキムキの爺さんだった。

 ボディービルダーのような盛り上がったモノでは無くて、細マッチョな筋肉に、数多くの傷跡が刻まれている。

 アバターはほぼ上半身裸なのだが、これがリアルと同じだと思うと圧倒される。

 眉間の傷跡もしっかりとアバターに刻まれていた。


「意外と挑戦してましたね」

 手を上げた面々を見てノエルがつぶやく。

「てか、勇者みたいな恰好をしていながら飛鳥は挑戦していないのですか」

「ゲーム内ではASUKAって呼んでもらいたいね」

「ヘタレ飛鳥はヘタレで十分です」

「ヘタレてないし。僕だって未踏破区域に挑戦しようと思っていたんだよ。だけどソロだときついなぁと思って」

 そう言ってちらちらとソラの方を見る飛鳥。


「それをヘタレって言うんですよ」

「むしろ邪魔しないで」

「言ってくれたら私が付きい合うのに~」

 と女性陣からのコメントが漏れ聞こえる。

「まぁいいでしょう。あとはリアルがお仕事の桜子さんと生産職の静香さんですね」


「私はゲームはそんなに得意じゃありません。それとプレイヤーネームは「ブロッサム」です」

 というのが桜子さんの意見。

 アバターは眼鏡キャラの魔法使い。

 会社でプレイするより旦那さんやお子さんと楽しんでるエンジョイ派だ。


「オレは「ガッツ」と呼んでくれ」

 そう答えたのがドワーフの生産職を務めているガッツだ。

 ガッツは静香のアバターで、どうやってか知らないが種族どころか性別迄変えていたりする。

 

 おおざっぱだが、これがフラワーガーデンの社員の様相だ。


「って、また僕だけおざなりじゃないか!」

 また飛鳥が叫んだ。

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