第6話
「ところでこれ何カップあるんですかね」
ありかがノエルの前でそんなことをこぼし、ノエルがそれに答える。
「Iカップあります」
「たわわじゃないですか。あの、触ってもいいですか?」
「どうぞ」
ワインレッドと白のメイド服を着たノエルが胸を張り、その胸の前で拝むように手を合わせたありか。
「いただきます」
そう言って下からすくい上げるように揉み始めた。
「おおう、すごい弾力」
タユンタユンと弾む胸に皆の視線が集まる。
「これはランキング更新だね」
ありかがそう言うとこれまでのトップだった美九が飛鳥の首に腕を回して強制的に目を逸らさせている。
胸の谷間に下から指を差し込み、押し開くかのように胸を揉みだし始めた。
ここで黒沢がリタイア。
トイレに行ってくるそうです。
「ねぇ、ノエルちゃんって乳首とかついてんの?」
ありかが調子に乗って突っこんだことを聞いていた。
「ついてますよ。ノエルは限りなく人間に近い生体アンドロイドですから」
「へぇ、機械じゃないんだ」
「ハイ、アンドロイドとは高い知性を持つ人工の肉体を持つものに定義されます。ロボットなら一から機械、サイボーグなら人体に機械をつなげるなどと定義されます。が、ノエルはミーゴによってつくられた人造人間が当てはまるでしょう」
「ほうほう、それってどこら辺まで人間に近いの?」
「セッ〇スまではできますが子供は作れません」
ボヨンっと胸が弾む。
ここで桜子が目を逸らした。
真面目な顔してるだけあって顔が真っ赤である。
「ですが代わりに乳腺を刺激すればお乳を出すことはできます。」
「へ~」
そう言いながらこっちを見てくるありか。
その意味が分かったので蒼はこう答えた。
「貰ったデータに入ってたよ。乳がんの治療などにも使えそうだ」
「そうですか。まさにオッパイ様ですな~コレ」
「それで何で薫君はずっとアタシを見つめてるの」
蒼の質問に、ありかが胸を揉み始めてからずっと蒼を見下ろしていた薫は、
「俺はIよりもAAを見ていようかと、――――いててててててててててててて!」
「比べるな。そうやられた方がムカツク」
蒼は薫の頬をつねって文句を言う。
「ほら、いつでも見られる私のオッパイ見てないで、あの弾むオッパイを見ておきなさい」
「怒るところ違くないですか?」
「君が素直に見とかないから私がひねくれるんだよ。ほれ、酒のつまみにはサイコーだぞ」
「それでは皆様、ノエルのオッパイは存分に堪能できましたか。ちょうど黒沢様もお戻りになられましたね」
「おい、……俺達まだ黒沢たちの事紹介してないだろう」
薫が怖い声で言うと。
「出待ちしてるときに聞いてましたよ。大丈夫。個人情報の漏洩はしてません。ミーゴもそこんところは規約に従ってます」
「それならいいが」
「運営も戦争好きとしての矜持があります。公正にゲームを楽しませてくれますよ」
「そうかい」
「それよりも、ノエルはこうして人類側に立ったのですから勝ちに行きます。そのためにビシバシ意見を言わせてもらいますね」
おとなしそうな見た目のわりに、アグレッシブなアンドロイドのようだ。
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