第4話
しかし社長は身長が小学生か中学生かと思ってしまうような少女である。
本人は上から目線を心掛けているらしく、体形に似合わず態度がデカかったりするのだが、余計にその趣味の人達の興味を引いてしまっているのが現状であったりする。
さて、今日もクーガの肩の上の定位置に腰かけたソラは少しでも大人に見えるようにと現実とゲーム両方で伸ばしてい髪の毛をかき上げてクーガに指示を飛ばす。
「……ねぇ、ギャンで突撃をかける時の決めゼリフって何があった?」
「……マ・クベは撃破された時が有名ですけど。この壺をキシリアに届けてくれ。っていう」
パーーーーーーン!
「いい音色だろ。」
クーガの頭をひっぱたいてのたまうソラに身体を揺らして抗議するクーガ。
「俺の頭は壺じゃない。後叩き割らないで」
「いやぁ、ギャン・クリーガめっちゃかっこいいじゃん。黒の三連星がこれで「ジェットストリームアタック」をしかけるとこか見たくない。」
「確かに格好よさそうだけど!―――けど、黒の三連星はギャンB型に専用機があるからね。」
「……なん………だ……と……!……いや、そもそも黒の三連星はギャンには乗ってないはずだ!」
「それを言ったらそもそもだろ。……一応「ギレンの野望」でif展開としてギャンの量産化が可能で黒の三連星用のギャンがあったりするるんだよ。」
「意外と詳しいな。」
「戦略ゲーは好きなんですよ。あと、ガルマが好きだし。って、とりあえずそんなことよりゲーム攻略だろう。」
「ダンジョンに潜ったらサンタ帽をかぶったトリプルドムに襲われれる可能性があるな。」
宇宙人はどうやら地球のネットワークを利用してFCOをを作っているふしががあり、やたらと地球のサブカルチャーを踏襲していることがある。
信じられないだろうが、かつて赤いゴブリンにトッププレイヤーが立て続けにやられるという事件があった。
開戦までに半年があるにもかかわらず特に日本人の戦意がすごいのはそこにあったりする。
だから社長の冗談も無視できなかったりする。
「ところで何でいきなりギャンが出てくるんだ。」
ダンジョン攻略の準備をしながらクーガはソラに訊ねてみた。
「ん、そんなのクーガくんの丸い盾を見てたからだよ。」
言われてみればなるほど、クーガの装備しているバックラーはギャンのそれに似ている。
しかし、武器はビームサーベルどころか
騎士風のギャンとは似ても似つかない。
ただし頭部装備だけはそれっぽい兜なのだが。
クーガは性能重視で装備を選んだのだが―――。
結果、何処からどう見ても変態であった。
現実であったら即通報モノの恰好であるクーガであるが、幸いここはゲームの中なので通報されたことはない。
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