15話
朝霧君と別れて、
やっぱりおかしい。改めてそう思いながら祠の前に立つ。だけど、さっきまでそこにいた妖の姿は、今はもうすっかり消えていた。
ここまで戻ってきたっていうのに
念のため、祠の前にあるびっくり箱の
ただし、箱の中に入っていたカードは、さっき見た時よりも枚数が少なくなっていた。ということは、少なくとも後続の何組かはここまで来たということになる。
ここからゴールまでのどこかでいなくなったのだろうか。だけどそれがわかっても、それ以上の手がかりがなければどうしようもない。
仕方なく、ゴールまでの道のりを、
少しだけ進んだ時、後ろから、
「誰かいるの?」
声のする方を見てみると、遠くに小さくライトの明かりが見えた。クラスの子達だ。
あちこち
それまで真っすぐに歩いていた二人が
「えっ?」
何があったのかと驚きながら、二人の入っていった茂みの方を見ると、そこには小さな脇道が
「ちょっと、どこ行くの!」
その
けれど二人とも、立ち止まるどころか振り返ることもなく、どんどん脇道の
何が起きているのかわからない。けれど、どんどんルートを外れ進んでいく二人を見て、このまま放っておくわけにはいかなかった。呼びかけてもダメなら
だけどその時、私の前に
「――っ!」
ハッと息を
「
その
普段なら、それはより危険が
『邪魔をするな』 。さっき、こいつが言ったことを思いだす。それが、クラスメイトを呼び止めようとしていたことを指しているなら、やっぱり今回の
「み、みんなをどこにやったの」
意を決し、包帯妖に問いただす。だけどその声は、自分でも驚くらいに震えていた。
怖い。今すぐここから
まともに口を動かすこともできなかった。みんなをどうしたのか、もっとハッキリ問いただしたいのに、声が
それでも逃げるわけにはいかなかった。今にも
「答えて!」
だけどいくら
「珍しいな。どうやら本当にわしが見えるようだ」
どうやらこいつにとっては、私の言葉の内容よりも、自分のことが見えている人間がいるという事実の方が大事らしい。だけどそんなのは、
けれど包帯妖は、私の
「こっちに来い!」
いったい何がきっかけになったんだろう。
「
とっさに
「放して! 放して!」
もちろん私だって、そう
「静かにしろ」
もうこの時点で、
怖い、怖い、怖いっ!
やっぱり
他のみんなも、こんな目にあったのかな。そんな思いが頭をよぎり、体が震え、この後に起こる何かを
「……………………」
ところが包帯妖は、その
いったい何をしたいのかわからず、
私も、押さえつけられたまま、目だけをそちらに向ける。するとその道の向こうから何かが現れるのが見えた。
そこにいたのもまた妖だった。けれどそれは、この包帯妖とは違う。あの
「――っ!」
驚いて悲鳴を上げそうになるけど、そのとたん再び包帯妖の手が私の口に強く
「黙ってろ」
包帯妖はまたもボソリとそう言うと、私を掴んだまま小さく身をかがめた。なんだか、向こうにいる妖達から隠れているみたいだ。
あっちの妖の
しばらくしてそれまで聞こえていた声も届かなくなり、辺りに再び静けさが戻った。
ふっと、私の口を押さえていた手から力が
手足が自由になった私は、何が起きているのかわからずに、包帯妖の姿を見上げる。その時、
「そのお守り!」
それは、紛れもなく私の探していたお守り
「そのお守り、この子のなんだ。返してくれないか?」
驚いて、声のした方を振り返る。聞き
どうして彼が? そう思わずにはいられなかった。
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