6話
相良君と別れた後、私は一人帰路につく。その間も、頭の中ではさっきの出来事が思いだされるけど、私は部外者なんだし、
だけどそれからすぐ後、そもそも考える
大通りを外れ、小さく分かれた細い道へと入った時だった。道の
私は気づいていない、何も見ていない。心の中で自分にそう言い聞かせながら、
「お前、嘘をついているな」
「きゃっ!」
いつの間に寄ってきたんだろう。毛玉はプカプカとその体を
「なんだお前、私が見えるのか」
次の
バランスを
「きゃああああっ!」
全身に
「嘘をつくやつは好きだよ。私好みの気を放ってくれるからね」
「な、何を言ってるの?」
いつもなら妖の言葉に
「人ってのは、嘘や
毛玉はそう言うと、
「私、嘘なんて……」
「何を言ってるんだい。お前、本当は私が見えているのに、見えないふりをしていたじゃないか。それがお前の嘘だよ」
確かにそうだ。私は今まで、妖が見えるという事実を、頑 かたく なに隠していた。友達にも家族にも
そうすることで、妖が寄ってくるのを
だけどこのまま黙ってやられるわけにはいかない。私が見える人だってこと、毛玉にはとっくにバレてるし、今は周りに
「いやっ、離して!」
声を上げながら、足に絡み付いた毛を必死で外そうとする。だけど毛玉もまた、私を
「きゃーっ!」
何とかしなきゃという思いが、
「おい。誰かそこにいるのか!」
見ると、さっきの私の悲鳴が
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