4話
たとえ一度断られたとしても、たぶんその子はまだ朝霧君のことが好きなんだろう。知った ところでどうにもならないかもしれないけど、それでも知りたいと思うのが
とはいえ、
おまけに今回の場合、当人である朝霧君があまり周りと話すタイプではないというから、人 から聞いて調べるというのも、なかなかに
他のみんなも同じようなことを思ったみたいで、少しの間
「朝霧君って
けれど、周りから一歩引いていて、必要以上に
ちらりとサッカーをやっている男子達を
「あ、でも
一人がそう言ってクラスメイトの名をあげた。けれど久美子は、相良君には既に聞いてみた という。結果はもちろん、知らないという答えが返ってきたそうだ。
それにしても、彼のように周りから距離を置くことが私には理解できなかった。
もちろん私の
そういえばと、一人が思いだしたように呟いた。
「朝霧君って私と同じ中学だったんだけど、前に変な
「どんな?」
私が聞くとその子は、自分も人から聞いただけだから本当かどうかわからないという前置きをした後、小さな声で話し始めた。
「親が
そう言ってその子はますます声をひそめる。
「小さい頃は
「…………」
聞いてみるとなかなかに重くてあまり気持ちのいい話ではなかった。今まで大人しい印象しかなかったから
言った本人も
「それってやばくない?本当なの?」
「だから噂だって言ってるじゃない。そんな風には見えないでしょ」
さすがに本人に悪いと思ったのか、慌ててフォローを入れ、根も葉もないことだと強調する。 実際、
「まあ、噂なんていい
他のみんなもそう思ったのか、噂だからと
しかし、たとえ事実ではないとしても、こういう噂を立てられた方は嫌だろうなと、
噂というのはえてして、事実かどうかよりもその
そんなことを考えているうちにしだいに話題はそれていき、いつの間にか今度のテストや夏 休みの予定といった関係のないことへと変わっていった。
おしゃべりに花を
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