3話
昼休み、教室で、仲の良い友達と一緒にお
「うちのクラスに朝霧晴 はる 君っているでしょ。彼に好きな人がいるって話、誰か聞いたことな い?」
突然そんな
同時に、何人かが教室を見回し、話題に上った朝霧君を
だけど朝霧君をはじめ男子がいないのは、むしろチャンスでもある。だって、これで声を
朝霧晴。改めてその名と姿を思い浮かべる。
白い
とはいっても、外見を
「朝霧君って、朝霧晴君のことだよね。私は知らないけど、美紀はどう?」
「私も聞いたことないな。あんまり話したことないし」
久美子はみんなに聞いて回るけど、誰からも朝霧君の好きな人の
「大人しそうなタイプだよね。顔は悪くないけど」
「一度席が近くだったことがあるけど、他の男子と
みんなに聞いてわかったのは大人しいということくらいだった。これでは、彼が好きな人は誰かという本題にはとてもたどり着けそうにない。
「それで、なんでそんなこと聞くの? 告白でもするの?」
最初に話を始めた久美子に、美紀がワクワクした顔でたずねる。けれど久美子は
「するっていうか、告白はもうして、それで振られたんだよね」
その言葉に全員が
「違う、私じゃなくて三組の子! 知ってるなら教えてほしいって言われたの」
周りから向けられた
「その子、朝霧君と同じ中学で、前から好きだったみたいなんだけど、この前思い切って告ったんだって。でも、他に好きな人がいるって言われて、
振られたのがこの場にいない第三者とわかって、みんなホッとする。もっとも、どちらにし ても振られた人がいるということに変わりはないけれど。
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