2話
私には小さい
この世には私にしか見ることのできない『何か』がいる。初めてそれを見たのはいつだったろう。少なくとも物心がついた頃には、その『何か』は時々、私の前に姿を
ある日のことだ。私のそばを
またある日、
最初、それは誰にでも見えるものだと思っていて、怖いのがいると両親や友達に話したこともあった。だけどみんなそんなものはいないと言う。大人達からは空想好きな子供と笑われ、友達からは
そのことは私にそれまで以上の
だから、たとえ見えていたとしても、何も見えていないかのように
怖い目にあうのも
けれど、それですべてが隠しきれるわけじゃなかった。いくら見えないふりをしていても、それらは
一度目に入ってしまったら、声を聞いてしまったら、もう気にせずにはいられない。
そのせいで周りから不思議がられることもあった。見えない人からすると何もない空間に向かって、突然驚いたり話しかけたりしているのだから当然だろう。そのたびに必死にごまかした。何でもない、気のせい。そんなセリフは今まで何度口にしたかわからない。
時には
すべて打ち明けることができればと何度も思ったけど、言ったらまた周りから変なやつだと思われ、
それらは
だけどそんな人、見たこともなければ、
だから私は秘密にする。妖が見えてしまうという、この事実を
そうすることが、身を守る
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