妖しいクラスメイト ~だれにも言えない二人の秘密~
無月兄/カドカワ読書タイム/カクヨム運営公式
第一章 瞳に映る妖たち
1話
人間、
というか私の場合、
これは私と、
「行ってらっしゃい。車に気をつけるんだよ」
両親が
テレビのチャンネルは少ないし、線路を走るのは
今年から通っている高校を選んだのも、そんな
ようやく広い道へと出ると、目の前から小学生の
目にしたとたん、サッと血の気が引き、体が冷たくなるのを感じた。とっさにそれを
私は気づいていない、何も見ていない。
必死に自分にそう言い聞かせながら歩いた。いつの間にか手は
前からやってきた
私がこんなにも
そいつは子供達の真ん中に立ち、
遠目に見ただけだと、
もちろん、そんな人間なんているはずがない。つまりそこにいるのは、人間でない何かだ。
そんなものを見れば、普通なら悲鳴を上げるだろう。けれどそれが自分達の真ん中にいるにもかかわらず、子供達は誰一人声を上げない。それどころか、目を向ける者さえいない。
「やっぱり、私以外には見えないんだろうな」
誰にも聞こえないように小さく
ああいったやつらは、こちらが気づかなければ、ほとんど何もしてくることはない。どうして子供達と一緒になって歩いているかは知らないけど、子供達がその存在に気づかない
けど、こっちが見えていることがわかると、しつこいくらいに追い回し、時に
私が見えていることに気づかれないように、決して目を合わせることなく、
子供達とすれ違う
思わず走って
もういいだろうか。しばらく歩き、子供達の声が聞こえなくなったところで足を止める。
そう思った次の瞬間だった。誰かに、急に
「きゃあ!」
思わず悲鳴を上げ、振り返る。見るとそこには自分と同じ
「
私は驚きながら
「ちょっと麻里、いくらなんでも驚きすぎでしょ」
美紀が
彼女を見ると同時に、そっとその後ろを
ようやく安心すると、美紀に作った
美紀も、私が本当は何に
美紀は私にとってクラスメイトであると同時に、一番仲の良い友達だった。けれど、そんな彼女にも、今何があったのかは言わなかった。いや、言うことができなかった。
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