第18話:素直なプリシラ
すると、
「お前、さっきも、なんてこと聞くんだよ。そんなことは普通聞かないぞ?失礼な」
「ごめーん・・・・・・」プリシラは素直に謝った。リムは、彼女の素直さに拍子抜けし、今も腰が抜けたようになって、
「お前は素直な所は良いからな。小さい時のノリで聞いたんだろ?」と、溜め息をつき、仕方なさそうにした。
「そうかも」またプリシラが素直に小さくなって返事をすると、リムは
「知りたいのか?」と目を細め、流し目で教えたくなさそうに言った。しかし、内心、ガールフレンドとの仲を教えて、プリシラがどんな反応をするか知りたかった。少し妬いて欲しいかった。
「知りたいというか気になっちゃって」プリシラは小さくなってイタズラっ子のように舌を出し肩をすくめた。
「じゃあ、別にやましいことはしてないから少し教えてやるよ」
「うん」と言って、プリシラがベッドの縁に座ると、リムはまた慣れたようにプリシラの机の椅子に座った。それは2人が幼い頃、プリシラが小学1年生になる前に勉強机が来てから、普通のことだった。
「大したことはない」と、リムは足を組んで、背を低く丸くし、両手を広げた。プリシラは、リムの顔を丸い黒目が魅力の大きな目を、もっと丸く大きくして見た。
「いつって」リムも、その丸くて大きい目をしっかりと見て話し始めた。「大体休日ばかりさ。それか塾がない平日。でも大体塾はあるから、塾で。あとは部活が一緒だし、部員が2,3人だから、2人きりになることもある」
プリシラの目が不安そうな目つきになったのを確認してリムは続けた。「どんなことって、読んだ本について話したり、写真やカメラについて話したり、勉強を教え合ったり、海に行ったり、皆がしているようなことだよ」
プリシラは、海、と聞いてドキ!っとした。
「海?それって水着着て?」
「そうだよ、当たり前だろ」
「ガールフレンドさんって」プリシラが言いかけると、リムは上から言葉を被せるように
「とてもスタイル良いんだよな。ビキニが似合って。お前みたいな寸胴じゃなくて」と意地悪そうに言った。本当は、さっき見たプリシラの方がスタイルは良いと思ったが。
「ふーんっ。2人きりで行くの?」プリシラの無邪気な受け答えにリムは、意地悪を言ってみたのに妬かないのかと、心の中で残念に思った。
「そういう時もあるし、何人かで行く時もあるよ。お前もあるだろ?」
「そうね。あ、そうだ!私もこないだ友人達と行って来たの。バカにしたっていいから見てよ」
プリシラは携帯電話を出して、何人かと海に行った時の画像をリムに見せた。
「へぇー、まだまだ子どもだな」
「だって、中2だもん」プリシラはリムにまた意地悪そうに言われても、怒らず認めた。
リムは、プリシラにまだまだ子どもだ、などと言ったが、内心こう思った。
・・・・・・プリシラのビキニなんて!恋愛対象にはならないけど
中々可愛いじゃん。高校生になったらもっと大人っぽくなりそう・・・・・・
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