第16話:リムお兄ちゃんのエッチ!
プリシラがシャワー室に戻らないうちに、リムはトイレを出て、その裸体を一瞬だけ真正面から見てしまった。プリシラは急いでシャワー室のドアを強く閉め、シャワー室に戻り、リムも急いで廊下に出て、アコーディオンカーテンを強く閉めて息継ぎをした。
「リムお兄ちゃんのエッチ!!早過ぎるってば!」
プリシラはシャワー室の中から叫んだ。
「ごめんて!!お前が出てるとは思ってなくて!」
リムも息せき切って叫び返した。
「もー、ガールフレンドもいるくせに、早く私の部屋に戻って!」
リムは、何で、ブレジアまで来て、ガールフレンドとデートに行けず、プリシラの勉強を見たりしているのに、こんなことが起こるんだろうと不服に思いながらプリシラの部屋に戻ってドアをしっかりと閉めた。しかしどこか懐かしかった。
「ここんちのシャワー室とトイレと洗面所がおかしいんだ。何で俺がプリシラに怒鳴られて邪険にされなきゃいけないんだ全く!」
そう愚痴を呟いた後、リムの脳裏にプリシラの裸体が、はっきりと浮かび上がり、リムは顔がほてった。
(俺が引っ越す前、あんな凹凸なかったぞ?ア、アイツだって、いっちょまえに成長するんだな。そ、そりゃ生きてるんだしな)
リムは、プリシラの勉強机の椅子に座り、トイレから持っていた農業新聞に集中しようとしたが、動揺して、どこをどう読んでいるのか、また、何が書いてあるのか内容が全然頭に入って来なかった。
そこへ、プリシラが、戸惑った表情でそっと自室に入ってきた。リムは、父親のように、新聞を広げて顔を隠して後ろを向いて座った。そのリムに、プリシラは
「リムお兄ちゃん見たでしょ?」と恥じらって小さい声で聞いた。
「な、何を?」リムはビクっとして腰が少し浮いたが知らないふりをした。
「何ってエッチ!」
「エッチって、お前が、まだ出てないと思ったんだよ。ああ、一瞬見たけど悪いかよ?大したことなかったよ」リムは開き直ってみせた。
「そんな風に言うことないじゃない、酷-い!」
「正直に言ったまでだよ。もっと言うと、俺のガールフレンドの方が
リムはプリシラに、自作のテストをプリシラの顔を見ずにプリシラのお腹辺りに投げつけるようにした。プリシラはリムに言われた事に対して唸ったが、それを受け取り、眉間にシワを寄せつつ、小さい声で「ありがと」と言って受け取った。
「俺のは見るなよ?」リムは冗談と意地悪が混ざったような言い方をした。
「見ないわよ。でも自分は私の見たくせにずるいわ」
「見たくて見たんじゃないんだから、ずるいも何もないよ。それより、テストの制限時間は、俺がシャワー終わって、ここに戻って来るまでだ。さあ、始め!」
「え?ちょっと待ってよ!えーっと!」
リムは、プリシラの椅子から立ち上がり、代わりにプリシラを座らせ、目の前に自作のテストを置いてやり、急いでシャワーをしに行った。
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