第10話:リムにまた勉強見てもらったら?
昼食が終わると、メルシェラがプリシラに声をかけた。
「ママ達は喋ってるから、折角だし、リムにまた勉強教えてもらったら?こないだの理科のテスト酷かったでしょ?」
「ママ、ばらさないでよ!」
プリシラとリムが戸惑っていると、ミリィが、メルシェラに、
「この子、ガールフレンドがいるから駄目よ。2人とも外に行ったら?遊び場もあるし、カフェでお茶してきてもいいし」と半分残念そうに、半分楽しそうにプリシラとリムの方も見て言った。
しかし、リムは頭に血を上らせて、
「母さん!ガールフレンドなんて、友達の友達だよっ。それに、頭痛薬飲んだから外には行かない。プリシラの勉強見てやるよ。手が汚れるのは嫌だから。ケビィだけ行かせてよ」と、ケビィを母の方に軽く押しやった。
「お兄ちゃんっ、僕も手が汚れるの嫌だよぉ。僕もシーラお姉ちゃんのお部屋で遊びたい!」ケビィは、ぐずぐずして地団太を踏んだ。
母ミリィは困った顔を自分の息子達に向けた。
「もう、バレジアに引っ越してから2人ともワガママになったわねえ。ケビィはパパ達と行ってきて。お兄さんお姉さん達の邪魔しちゃダメよ」
それを見ていたリビィは
「ほんとだ。“手が汚れる”なんて失礼な。ラシェム悪いね」
とケビィを諫めて、ラシェムに詫びた。
「いや、いいよ。君は美容師だし、ミリィは女医で、引っ越す前から手を綺麗にしていただろう。自然なことだ」
ラシェムは、謝るリビィとミリィに温かく笑いかけた。
「そうか、ラシェムありがとう」
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