きっかけ
「きっかけ」
…物事を始めるはずみ(となるもの)。
…機会や動機や手がかり
というものはいつでも些細な事である。
私はあの日以来、
麻倉深月
という学生に興味をもった。
日本の大陸を作り出した
天照大御神、それから八岐大蛇で有名な
生命の始まりが、ビックバンではなく、神々の創造である事にロマンがあるわけだな。
はいじゃー、今のところまとめておいて。
それまでは1人のゼミの学生であって、
顔と名前くらいは知っていたが、
彼女がどういう人がなのかなんて考えた事もなかった。
あのコーヒーは間違えなく妻の淹れたコーヒーと同じだった。私は妻が病床についてから、何度となく色々なコーヒーを試してみた。けれどもどれも私をリラックスさせる、朝のひと時はのぞめなかった。
妻に直接聞くと言う方法もあるが、余命宣告された彼女にそんなくだらない事を聞く気にはならなかった。
神道とは日本の宗教として、
山や川などの自然や自然現象を敬う多神教。
自然を崇拝して風と共に生きる。
実に日本らしい創造主の考え方だね。
無宗教と言われる今日だが、
この考え方は先祖代々みんなの家にも伝えられるんじゃないのかな?
ざわざわと生徒達がノートやらの荷物をまとめて、帰り支度をはじめた。
ありがとうございました。
はい。おつかれさま。
さようなら。
はいまた来週。
口々に挨拶を交わしみんな教室を後にする。
教室の隅で一生懸命にノートをまとめている者が1人…。
麻倉深月だ。
月讀尊に対するレポート
天照大御神、素戔嗚と共に伊弉諾の禊から生まれた三貴神の一つ。
月を司る。
たまは夜の統べる神のして崇めたてられ、
かつては月の運行に基づく太陰暦を用いたことから、
月の暦を数える神と評される事も。
またこうした名の元、
月をツキと言い、
運を呼び込む神とも考えられた。
三貴神=三貴子
三貴子(みはしらのうずのみこ、さんきし)とは『古事記』で黄泉の国から帰ってきた伊邪那岐命(イザナキ)が禊(水浴)で黄泉の汚れを落としたときに最後に生まれ落ちた三柱の神々のことである。イザナキ自身が自らの生んだ諸神の中で最も貴いとしたところからこの名が生まれた。三貴神(さんきしん)とも呼ばれる。
天照大御神 -
イザナキの左目から生まれたとされる女神(本来は男神だったとする説もある)。
太陽神。
月讀尊
イザナキの右目から生まれたとされる神(性別は記載していないが、男神とされることが多い)。夜を統べる月神。
須佐之男命 -
イザナキの鼻から生まれたとされる男神。
海原の神。
『日本書紀』本文は伊弉諾尊と伊弉冉尊が共に「いかにぞ天下の主者を生まざらむ」と言って最後に生んだ四柱の神々のうち三柱で、月神の後、素戔嗚尊の前に蛭児(ヒルコ)も生んだとする。
日本の国歌『君が代』の「君」とは、イザナキとイザナミの「キミ」を意味するという意見も存在する。
ウィキペディア抜粋
なるほど。
君が代がねー…。
ふ〜ん。面白い考えだな。
え?あー先生。
卒論の構想早めに考えておこうかと思って、
もう教室閉めます?
あーそうだな。
…ご飯でも食べに行くか?
えーご馳走してくれるんですか?
あー、
仕方がないなー。
「きっかけ」それは些細な事から始まる…。
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