第27話 白○と黒●Blake Time
この物語の大前提は
すれ違っていった夫婦が
どのように再生をしていくのか?
というところなわけなのですが……。
●「おはよう。」
○「おはよう。まだ寝ていないと……。」
●「うん。でももう寝られないよ。」
○「なんで?」
●「見ていたいから。」
○「何を?」
●「寝顔。」
○「ばか……。」
新婚夫婦のような寝起きの会話。
●僕らにとっては大切なコミニケーションの一つだ。けして煽てる為に言っているわけではない。本当に思っている事を言葉にだしただけ。僕はただ最後に照れながら言う彼女の「ばか」が聞きたいだけ。
○また私の事をおだててる。
口から出まかせ詐欺師のような営業トーク。
適当な言葉たちを使って私の心を
だけど満更嫌な気はしない。
朝はなかなか、気分が上がらない。
でもこの朝の会話が気分をあげているのは確かだ。
●そもそも男も女も一人の人間だけを一生思い続けるのはとても難しい事なのだと思う。
結婚すれば毎日同じ部屋で過ごして、
三度の食事でお互いを観察しあい、
そして一緒に暮らして初めて嫌な部分が目に付く。
時々しか会えないからこそ
相手を愛おしく思い、
自分を良く見てもらいたくて、
一丁欄を着て会いに行く。
○いつも一緒にいるとどうしても、
彼の癖が気になってしまう。
脱ぎ捨てられた服。
飲みっぱなしのコップ。
いつも探してるスマホ……。
子供がいたら尚更目につく。
この子の忘れやすいのは彼に似たからだ。
彼に似てすぐに嘘をつく。
いい加減……。
おっちょこちょい……。
忘れっぽい……。
全部彼のせいにしていても、
私の気持ちは晴れることなどなかった。
●彼女が怒りだすのを最初はだいたい堪えているのだ。
自分が悪いのかもしれない。
少しでも彼女の言うことをしよう。
だから「うんうん」とりあえずうなずく。
でも彼女の気持ちはおさまらない。
そうなるとお手上げだ。
こちらも我慢の限界ができなくなって返事をするのも億劫になる。
だから最後は黙るしかない。
○彼の嫌なところを少しでも直してほしくて、最初はお願いベースで話をする。
けれども彼はいつだって「うんうん」言っているだけ。
そうしたら、あれもこれも日頃のつもり積もった感情が少しずつ漏れ始める。
そうして彼は最後は黙りこくるのだ。
あれは怒りの前兆だ。
●○でも今は違う。
何がそうさせたのか?
何故今は違うのか?
●彼女は僕に素直に感情をだし。
○彼は私の話をちゃんと聞いてくれる。
けれども
この極地に辿り着くのはまだ先のこと…。
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