13

「別れ?」


 彼女。きょとんとした顔。


「ええ。もう、精神科の医者も、絵も、必要がなくなりました」


「え。え」


 彼女。急におどおどしはじめる。いま言ったことが、嘘ではないことが。彼女には分かるはず。


 いつも通り。ソファに座る。


 彼女も。おどおどしながら、ソファに座った。右足の動き。スムーズなのを、確認して。


「足。もう、よくなってるんですね」


「あ。はい。おかげさまで。職場復帰間近です」


「よかった」


 なら。大丈夫だろう。


「俺を。殺していただけませんか?」


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